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バトル-124 [高校生バトル-13]

「中学生部会として考えていることは有るのかな。」
「はい、児童公園の清掃をしてからみんなで遊ぼうと言う秋からの企画は中学生でも参加し易いと思うのです、お掃除もチーム分けしてのゲーム感覚バトルになるのですよね?」
「うん、小学生から大学生、大人まで、色んな年代の人が一緒にね、子どもが普段接する人は限られているけど、いじめの問題だって身近に相談出来る人が居れば深刻にはならないと言うことも意識していてさ。」
「いじめか…、私達の周りは詩織に引っ張られて、いじめとかは考えられないのですよ。
 雅ちゃんが辛い思いをしたことも教えて貰いまして…。」
「そっか、どう、歳の違う色々な人と接することは視野を広げることにも繋がるって…、そんな感覚は分かるかな?」
「分かりますよ、今日はゼロ歳児と向き合って色々考えさせられましたもの、雅ちゃんや友香さんからも教えて貰いましたし。
 私の周りには子育て中のお母さんも、赤ちゃんの世話をしてる子もいませんからね。」
「お兄さま、大家族と言うのを意識していると友香さんが話してましたが、お兄さまも大家族は良いと考えているのですか?」
「勿論だよ、子育てを協力し合うことで仲良し家族がもっと仲良くなってる。
 何か有っても直ぐに頼れる人が近所に何人もいるから安心なんだ。
 ねえ、昔は今より家族や地域で協力し合っていたと言う話は聞いた事ないかな、村落共同体とか。」
「そんらくって村のことですか?」
「うん、昔は、地域の事を役所がやってくれてた訳では無いだろ。
 特に田舎では村人同士が力を合わせて行かないと生活が成り立たなかったんだ、田畑の水や道の管理とかね、だから運命共同体とも言える。
 悪くない共同体なのだけど、少し考え方の違う人は村八分と言って仲間外れにされる事があったのは欠点かな。」
「社会の時間に、いじめ問題を絡めて聞いた事があります。」
「それが、世の中の変化で役所が公共事業を担う様になり、若い人は収入の良い職を求めて村を離れ、どんどん変わって行った、ここらは田舎だから近所付き合いも残ってるけど、都会だと隣に住んでる人の名前さえ知らないと言う事も普通に有るそうだよ。
 つまり、同じ町の同じマンションに住んでいても全く繋がりが無いんだ。
 それでも生活に困らない社会、一見問題は無さそうだけどね。」
「でも、問題は有るのですね。」
「個人としては豊かになったかもだけど、社会としては貧富の差が開き望ましく無い状態でさ。
 シングルマザーの中には一人で苦労してる人もいるんだ。」
「貧富の差が広がったのは政治にも問題が有ったとお父さんが話してました。」
「ああ、僕も調べてみたのだけど、企業の人件費を減らしたいと言う思いを政府が後押しした結果、正社員ではない人が増え、若くても収入が少なくて結婚や出産を諦めざるを得ない人が増えた、そして、子育ての大変さからか少子化が進んだみたいだね。」
「はい、結婚して子どもを二人産み育ててれば人口が減らないのだけど、そうはなってないです。」
「そんな事も有って、僕らは社会を見直しているんだ。
 児童公園の清掃に向けて調査したのだけど、近所の住人が自主的に掃除をしてくれてて綺麗な公園と、たまに市が手入れするだけの公園とで大きな差が有り、利用のされ方も違うみたいでね。
 つまり住民の意識にも差が有るのさ。」
「あっ、うちのお婆ちゃんは公園の掃除を良くしてます、適度な運動になるとかで。
 それで散歩に来る人からの頂き物が有ったり…、確かに草が生い茂ってる公園も有りますね。」
「どの公園も自分達の公園だと、まず子ども達に思って貰い高校生とも触れ合う機会に、掃除はその切っ掛けにと考えていて、子ども達に掃除をさせると言うのは目的ではないんだ。」
「遊んでばかりで掃除をしない子でも参加して良いと言う事ですか?」
「構わないが、そんな子は仲間外れ、村八分になるかもな、それがいじめに繋がるのは問題だがその為に高校生や大人の目が有る、子ども達を社会で育てるって言うのはそう言う事なんだよ。」
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