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バトル-114 [高校生バトル-12]

「結党大会には三郎お兄さまがもっと注目を集める形で登場すると思ってたのだけどな。」
「いや、会場が遠いだろ、高校生部会の部会長も決まったことだし、無駄に交通費や宿泊費を使うより録画で参加させて貰えばスタッフが余計な気を使う必要もないからね。」
「私は、ここが会場になると思っていました、どうして遠くの市になったのですか?」
「詩織、全国組織だから、ここばかりが目立つのは良く無いと始めから考えていてね。
 そしたら、あそこの地域政党がまるごと新党に参加と言う話になって、すでに市長や議員、市民が大勢党員になってくれたんだよ。
 その勢いを、そのまま結党大会へと、お願いすることになったのさ。
 確かに、ここからは遠いけど交通の便が良くて、全国からの代表者が集まるには良い所なんだ。」
「ここだって交通の便は良いのだけどな。」
「はは、結党大会に出てもそれほど楽しくなかったと思うぞ、ほら、今だって国会議員の紹介と挨拶でさ。」
「そうかな、私は後で全部見直すつもりだけど、中学生部会の話も出始めてるでしょ。」
「頼もしいな、雅はどう?」
「私も、伊藤さん達のご挨拶はもう一度見るわよ、この前お話させて頂いて凄く良い人だって思ったもの、お父さまと同じ人種よね、娘さん息子さんとも知り合えたし。」
「お兄さま、伊藤さんが私達の集落に越して来ることが決まって、二人は私と同じ中学に通う事になるのですよ。
 あれから、ずっと連絡を取り合っていてね、中学生部会の話しだけでなく私達の義兄弟姉妹の話も、二人ともYouTubeを見てくれてて、お兄さまに憧れてると話してたわ。」
「そうなんだ、転校に対して抵抗を感じてるとかは言って無かった?」
「新幹線を使えば東京まで日帰り出来るから気にしてないって、でも、自分が東京へ行くより友達に来て貰う事を考えているそうで、東京に人が集中し過ぎてるのは問題だと考えているのだとか。」
「さすが国会議員の子どもと言うことか。」
「反抗期だけど、お父さまのことは尊敬してるって、今回党を変わる決断を下した事で尚更、今の与党には少なからず問題が有ると考えてたそうでね。」
「中一と中二だっけ?」
「うん、中二の兄と中一の妹だけど仲は良さそうよ、新党にも二人で真面目に向き合ってると感じたわ。」
「随分頼もしい兄妹だな、雅は仲良くなれそうか?」
「ええ、優しい人の周りには優しい人が集まる、悪い人の周りには悪い人が集まるの、類は友を呼ぶって実感してるよ。
 私も優しい人の仲間入りをして…、お兄さま達には随分迷惑を掛けてしまったけど、もうそんなに迷惑を掛けることはないと思ってる。」
「迷惑だなんて…、たまには甘えてくれないと駄目だぞ。」
「もう、三郎は直ぐそうやって雅を甘やかすから…。」
「そうですよ、雅だって何時までも子どもでは無いのですからね。」
「う~ん、伊藤さんとこの息子さんは僕の味方になってくれるのだろうか。」
「どうかしらね、詩織とは頻繁にやり取りしてるみたいだけど、雄介さん、詩織が居るから転校に対して前向きなのかもよ。」
「へ~、詩織も可愛いから気持ちは分かる、雄介って言うんだ。」
「はは、お兄さま程では無いけど感じの良い人だよ、雄介さんよりも、留美さんは三郎兄さまのポスターを部屋に貼ってるそうだから、お兄さまの味方になってくれるんじゃない?」
「あっ、そう言った話し、春子姉さんには内緒にしといてよ、また面白がりそうだから。」
「雅、どうする?」
「そうね、私は何時でもお兄さまの味方よ。」
「そう言ってしがみつくか…。」
「ちょっと、どさくさに紛れて私の三郎を右と左から二人でシェアしないでよ。」
「真子姉にはお兄さまの背中が有るわよ。」
「あのね…。」
「ちょっとお前達くっつき過ぎだぞ、そろそろ出番だから、モニターに注目!」
「は~い。」
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