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バトル-113 [高校生バトル-12]

「春子、結党大会に向けての準備に問題は無さそうか?」
「そうね、トラブルの報告は受けて無いけど、問題が起きたら御免なさいと言う方針だから、大丈夫でしょう。
 始めから完璧を求め過ぎるのはマイナスにしかならないと言うお父さんの言葉は、スタッフ全員で共有出来てる、発起人会代表として謝罪会見のイメージトレーニングはちゃんとしてるのよ。」
「はは、そのトレーニングが無駄になる事を祈るよ。
 兄貴からは、党幹部の党員投票と党名投票に向け、投票システムでアンケートを実施して来た結果、問題無さそうだと聞いているが、その候補者たちの準備はどうなんだ?」
「幹部候補達は明日集まるのだけど、今まで連絡を取り合って調整は進んでいてね、初代党首は衆議院議員の伊藤博隆さんでほぼ確定よ。」
「投票は?」
「信任投票になると思う、そこまでの流れは明日の会議中に説明する映像を撮影して、結党大会までに公開予定だけど、伊藤議員が与党を離党しての参加はマスコミでも大きく取り上げられてるでしょ。
 彼に続く人が複数いると言う話はマスコミの作り話しでは無く、彼の考えに賛同する議員が実際にいると言う情報が流れ、彼は一目置かれる存在になってるのよ。」
「あれには驚いたよな、お一人で来られると思ってたら、ご家族のみならず与党議員六人とその家族も一緒でさ、まだ後援会の人達と話し合ってる最中とは言え、そこから伊藤さんを含めた五人が新党に加わってくれれば一気に国政政党だぞ。」
「与党に所属していても、若手だと大した事が出来ないと話してみえたわね、無能な議員や不祥事を起こす議員と同格で、国会での採決では党議拘束に従うだけの存在だとか、かと言って既存の野党に鞍替えするなんて全く考えられなかったと話して下さったわ。」
「でも、我々にとっての国政政党はもう少し先の目標だっただろ。」
「国民は妥協で無く心から支持出来る新しい政党の登場を待ち望んでいた、そこに私達の新党が名乗りを上げてくれたと言うことだったでしょ。
 予定通り新党が私達の手を離れて行く道筋が見え、発起人はきちんと役目を果たせたと思うの、閉塞感を感じさせていた日本の政治が変わる切っ掛けを作り出してね。
 結果が出るのは先の事だけど、それを作れただけでも良かったと思うわ。
 次郎兄さんが高校生バトルをサポートする会社を立ち上げ色々主張して来た成果でも有るのだから、胸を張って良いでしょ、私達の主張に賛同してくれる国会議員が動いたと言う事だけでも。」
「ああ、そうだな…、市政研究会の連中はどう受け止めてる?」
「随分前から国政にも目を向けてたからね、伊藤議員の動きに歓喜の声を上げ国政研究会の立ち上げを模索してるわよ。」
「新しい党は若い研究者がカギを握ってるとも言えるからな、学士院とか日本学術会議では若者の意見は繁栄されない、とは言え我々には与党までの厳しい道のりが待っていそうだ。」
「そうでもなくてね、伊藤議員は連立を考えてみえるのよ、次の選挙で議員を増やす事に成功出来たら、政権交代には遠く及ばなくても大臣の一人ぐらいはうちの党からと言うのも有りとね。
 そこで実績を示しながら、選挙の度に議席を増やして行く、革命的に変えて行くのでは無く、あくまでも改革、現与党とも良好な関係を保ちつつ、いずれは逆転と言う戦略、悪く無いでしょ。」
「もしかして、その関係で離党までに時間を掛けてたとか?」
「ええ、同じ派閥で党に不満を抱いてる若手の説得に時間を掛けていただけでなくね。」
「そう言う事を出来るのが本当の政治家と言うことなのかな?」
「でしょうね、自分達の考えを通して行くには色々策略を巡らす必要が有ると改めて教えられた気がするの。」
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