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バトル-102 [高校生バトル-11]

「冷蔵庫にプリンが有るわよ。」
「うん、お母さん有難う。」

「春子、発起人になる条件が随分厳しめになってたけど、反響はどうなの?」
「市内の人には事前に情報を流していたから予定通り二十名ほどの人が応じてくれたわ。
 全国に向けての趣旨説明はこれから更に詳しいのを、いち早く発起人になってくれた人達と収録しYouTubeに上げて行く予定だけど、市外の人は発起人としてではなくボランティアスタッフ党員を募集し始めてから参加して貰えれば良いと考えていてさ。」
「発起人は充分な人数が集まったと考えているのね。」
「うん、いきなり人数が増えても対応が大変でしょ、一応、市政研究会の人が手伝ってくれる話しにはなってるけど、極力新しく仲間になってくれる人たちで回して行きたいと思うの。」
「でも、市内は兎も角市外の新しい仲間はどんな人なのか分からないでしょ。」
「そこなのよね、私達の主張に賛同し力強く党の拡大を考えてくれる人だとは思うのだけど、混乱が生じてもおかしく無いのよね。」
「混乱が起これば、そこで参加者の人物像が見えて来るでしょ、混乱を気にし過ぎないのも大切なこと、人間的に問題の有る人は早めに見つけ出し、その人が要職に就かない様にするのが理想かな、でも人の見極めって難しいのよね。」
「うん、党の要職に就いて貰う人には、議員候補と同等の試験や審査を考えてはいるのだけど。」
「雅ちゃんみたいに、猫を被ってるのかどうか分かりにくい人もいるからね。」
「お母さん、雅が猫被りと言うのはテレ隠しだと思うけど…、どう、夜中に泣き出すとかは?」
「大声を上げたりする回数は随分減ったけど、先週は余程嫌な夢を見たのか、三郎から離れられなくなってね、三郎は高校を休んだのよ。」
「学校への連絡は何て?」
「妹の具合が悪いので休みますと自分で電話してたわ、保護者としての自覚がしっかり出来てると言うか、母親としては少し嫉妬してるのよ。」
「うん、三郎の存在が雅を変えたと言うか、三郎がいなかったら…、私達では心の拠り所にはなれなかったと思うな。
 カウンセリングの話はどう?」
「もう少し様子を見てからにしょうかと、正直言ってカウンセリングの先生より三郎に任せて置いた方が安心な気がしてるのよ、普段は何の問題もないでしょ。」
「う~ん、ボランティアスタッフになってくれる人の中にも心に闇を抱えてる人が居る可能性を考えておくべきなのかな。
 最近の雅は表情も豊かになって安心してたけど、トラウマを抱えて…、真子はその話し知ってるの?」
「ええ、自分で話してたわ、結局、真子ちゃんがお母さん役になってるみたいね。」
「じゃあ、お母さんは雅のお婆ちゃんなのか。」
「ちょっと、よしてよ、もうすぐ孫が生まれるとは言え…、春子は体調に問題無いの?」
「うん、私は、まだ先だから…。
 ねえ、お母さん、生まれた時は無垢なのに人は成長して穢れてしまう生き物なのよね。」
「そうね、でも、春子は全然穢れて無いと思うわよ…、もしかして浮気をしてたとか?」
「まさか!
 そんな面倒な事を考えてる時間は無かったわ。」
「三郎のことが大好きだってこと、大輔さんは知ってるの?」
「勿論よ、子どもの頃からずっと一緒だったのだから。
 それよりこれから党所属の議員になって貰う人に対して浮気は絶対駄目と言う事になってるけど、お父さんとお母さんは大丈夫なの、過去に過ちとか無かった?」
「市長が、職場から寄り道しないで真っ直ぐ家へ帰って来るのは結婚してからずっとなのよ、付き合いの悪さで出世が遅れるかもと思ってたら、社内で浮気関係のトラブルが続いてね、長の付く役職に就くようになってからは部下の方を家へ招いてたでしょ、そんな事が有ってか仕事ぶりを社長さんが認めて下さったからか昇進は逆に早かったの。
 まあ、高校生で付き合い始めてからずっと、彼がその気になったら浮気相手には事欠かなかったと思うわ、でも、浮気なんて面倒なことに余計なエネルギーを使いたくないと話してくれてね。」
「なんだ、私と同じなのか。
 でもさ、浮気って色々有るのだろうけど、より強いオスがより多く自分の子を残そうとする本能的な部分も有ると思わない?」
「かもね、ただ、それを野放しにしてしまうと社会的に問題が有るでしょ。
 だから多くの国では浮気を悪い事とし、一夫多妻を認める国が少ないのだと思うわ。」
「皇位継承が問題になってるけど、昔なら側室とかがいて今みたいにならない様に出来たでしょ、時代が変わって公然と側室を持つことが出来なくなったのだから、もっと早くから対応の議論を深めておくべきだったと思わない?」
「そうね、でも政治家や官僚は制度を変えることに消極的だから…、ミスしたく無いと言う気持ちは分からないでもないけど、高学歴の人達でも意外と頭の悪さを露呈させる事が有るのよね。」
「ミスして野党に追及されると言うことでしょ。
 野党は野党で政権のイメージダウンしか考えて無い間に、自分達のイメージが悪くなってるって気付いてないみたいなのよね。」
「ホントに情けない人達だわ、春子、直ぐには無理でも絶対国政政党にしようね。」
「うん。」
「私も市会議員を目指すつもりで動くから。」
「分かった、お母さんを発起人の一人として紹介して行くけど、出馬予定を伏せて特に詳しく動画で紹介して行くね、現状を考えたらすでに当確だけど。」
「そんなレベルなの?」
「そんなレベルなの!」
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