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バトル-98 [高校生バトル-10]

「新党立ち上げを始めるに当たって、三郎には考えが有るのよね。」
「うん、春子姉さんと話してて、大きなポイントになると思ったのは、どんなキャッチコピーを出して行くかと言うことです。
 『私達は立候補者のことを何も知らないで投票して来た。』と言うコピーは市長選を通して全国に知れ渡りマスコミも使う様になってくれ、コピーには人を動かす力が有ると感じましたので、これからのキャッチコピーを幾つか考えてみました。
 『黙って負の遺産を負わされるだけで良いのか。』と言うのは高校生だけでなく若い世代に向けたメッセージとして、『少子化は天災では無く人災。』『孫、子の為に木を植える人はいなくなってしまったのか。』は大人世代に対して、少し分かりにくい方が印象に残るのではないかと考えました。
 その説明は自分達の武器、YouTube動画でして行く事になりますので、分かり易過ぎると見て貰えないと言う理由も有ります。
 今まで高校生バトルの運営をしながら主張して来た事は概ね受け入れられて来たのですから、政党の一つぐらい…、大した魅力も無く、単に政権与党に対して反発する人の受け皿となってるだけの野党よりは魅力的な政党を創り出せるでしょう。
 それには、まず、人に興味を持って貰い、共に学び考えると言うことからです。
 具体的な第一段階としては、新政党結党に向けての考えを発起人募集時に公開、発起人の意見を入れて党員募集の文面に練り直して党員募集スタートでどうでしょう。
 勿論、YouTubeを活用して説明し党員になって欲しいとアピールして行きます。
 直ぐに完成されたものを提示する必要は無いと思いますので、二つの募集開始は一郎兄さんが話した二週間差で良いのではないでしょうか。
 後は党員になってくれた人達によって党の主張、その完成度が上がって行くのがベスト、こちらから与えるのでは無く、党員自らが考え成長させて行く政党でなければ意味が無いと思うのです。」
「ああ、その通りだな、発起人募集時の文面は春子がまとめてくれた内容で問題ないだろう、スタートはシンプルに、それに対して肉付けをして行くのが党員の役目で有ると主張して行こう。
 第一段階の作業は今まで高校生バトルで培って来たノウハウを活かせば然程難しい事では無いと思う。
 ただ、春子は直ぐに参加者が増えるとは思えないと話してたけど、大きな反響が有った場合でも余裕を持って対処出来る体制と作戦は練っておくべきだな。」
「一郎兄さんには何か考えが有るの?」
「うん、党員登録のスタート時はボランティアスタッフとして動いても構わないと言う人だけに絞って登録して貰い、党組織構築、党勢拡大に向けての役割分担を担って貰う。
 その状況を見ながら一般党員を募集するタイミングを計れば混乱を押さえられると思うんだ。
 党員登録システムの構築と並行して、ネット上で党員同士がやり取り出来るシステムを用意するが、その運用テストもお願いしたいね。
 ボランティアスタッフだと意識してくれてる登録者ばかりなら組織をまとめ易いだろ。」
「はは、さすが一郎だ、自分にスタッフとしての自覚が有れば、例え混乱してもスタッフに文句は言えないわな。
 逆に新しい党の一員になったと実感出来て前向きな人ほど期待感を持つのではないか。」
「そう言うことですね、私達が新党の発起人になり、そのまま忙しく動いてしまっては、私達の党だと勘違いされてしまい兼ねませんが、そんなのは政党とは言えないです。」
「うん、友香さんの言う通りだ、我々は党員たちが我々の思惑から大きく外れて行かない様に見守って行こう。
 取り敢えず鍵を握りそうなのは…、市長、現職市議から新党に参加しそうな人はどうです?」
「そうですね…、社長、新党立ち上げを正式発表したら次の選挙を見据えて悩みそうな人は何人かいます、ただ…、新しい党を引っ張って行けるだけの力が有る人なのかは微妙で…。
 春子、新党の所属議員になって貰うとしたら厳しい審査をするのだろ。」
「勿論よ、議員の質を上げる、その為の新党でも有るでしょ。」
「社長、人の噂話を全部信じてる訳ではないのですがね…。」
「火の無い所に煙は立たぬ、と言うことですな。
 新党の形が出来たら、そんな輩の情報を上手く流して辞職に追い込み、補欠選挙に新党から候補を立てると言うのも有りだな、おっと、詩織と雅は聞かなかったことにしてくれな。」
「ふふ、お爺さま、私は沢山の悪だくみを耳にして来たのですよ、義兄弟姉妹の一員になってなかったら、それを参考に悪い子になってたでしょう。
 私は辞職に追い込まれそうなことをしてる人が辞職に追い込まれない方が問題だと思います。」
「だよな、どうです、私の孫はしっかりしてるでしょ。」
「はは、私の娘ですけどね。
 実際問題、病気で引退した人が居たりして、補欠選挙を実施するだけの欠員になる可能性は有るのですよ。
 ただ…、今は我々が擁立出来るだけの人物に心当たりが無くて…、普通の会社員には気軽にお願い出来ませんからね。」
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