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バトル-96 [高校生バトル-10]

「麻衣、義兄弟姉妹の儀式、この編集された映像を見てると、うちのYouTubeスタッフはカメラマンも編集も腕を上げたと思わないか?」
「そうね、桜の花びら舞い琴の音色も素敵、こんな綺麗な作品に仕上がるとは思ってなかったわ、次郎が指導した訳では無いのでしょ。」
「ああ、俺は撮影に立ち会う事は有っても口出しせず見守る様にしてる、普段、映像に対する提案は春子がしているかな。」
「うん、私が英語チャンネルに出演した時もそうだった、ディレクターが分かりにくい話をしてたら、春子さんがすぐに場を仕切り簡単な説明で全員を納得させてたわ、スタッフ全員が彼女より年上でもね、お父さまが春子さんに政治家の道を提案したのも分かる気がする。」
「俺も言われてみて、確かに春子なら政治家でもやって行けると思った、今まで考えた事もなかったのだがな。」
「リーダータイプばかりの家族でも、それぞれ違ってて面白いわ、三郎さんは素直過ぎるから政治家になったら周りからの色々な意見に潰されてしまうかもね。」
「それは有るな、真面目でも多少の狡猾さが無いと政治家はやって行けないだろう。
 春子は狡猾と言う訳では無いが、人の気持ちを読み取り自然な感じで従わせる能力に長けていると思うんだ。」
「ふふ、次郎はそこまで人の心理を考えないのだけど、人を傷つける事はしないし大輔社長と上手く役割分担し社員からの信頼が厚い、でも政治家には向いて無いよね。」
「はは、お金儲けを真面目に考えたいからな、兄貴も時に技術指導をする今の役職が合ってると思う、結局親父の政治的能力を一番受け継いでるのは春子なんだと思うよ。」
「それで、市政協力会の立ち上げが決まり地域政党の話が進み始めて、高校生バトル運営会社としてはどう動いて行くことになるの?」
「今日春子から出たのは、例え反応が弱くても高校生以上を対象に、明日の日本を背負って行くのは今の若者で有りお年寄りでは無いのだと思って貰える活動をして行きたいと言うことでね。」
「うん、気が付いたら老人ばかりを大切にする政治で、明日を支える若者世代がないがしろにされて来たわ、少し変化は見られるみたいだけど。」
「目先の利益に囚われ次世代のことを考えなかった結果が派遣労働の拡大に繋がり少子化を進めた一面が有る、子孫を残すと言う動物の基本的本能からも逸脱と言うか、環境問題もそうだろ。」
「うん、そう言う話になると何時も思い出すのが、今は衰退してしまった林業、山に木を植える老人の話でさ。」
「あっ、分かるよ、自分の為では無く子や孫の為にと言うのだろ。」
「ええ、森が荒れてる話を聞くと悲しくなるのだけどね。」
「そこも何とかしたいが森林の面積は国土の三分の一も有るからな。
 まずはバランスのとれた国を目指す第一歩として、春子は地域政党レベルでスタートし、何れは国政を目指す政党の立ち上げを、政治家の育成と共に考え、まとめてみると話してたよ。」
「お父さまの選挙運動が人々の記憶に新しい内に始めたいわね。」
「ああ、それは春子も考えてる、最初から完成されたものには出来ないと明言しながら提案して行く事になるだろう。」
「私達、義兄弟姉妹が何をして行くのか、今までは少し朧気だったけど、いよいよ本格的に始まるのね。」
「うん、道のりは遠く険しいだろうが、俺達なら社会に一石投ずることは出来ると思う。
 これから生まれて来る子が物心つく頃には胸を張って話せる様にしたいかな。」
「市長選で成功出来たのだから…、ふふ、ワクワク感が半端ないのだけど。」
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