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バトル-80 [高校生バトル-08]

「ねえ、初めて家族全員と会った時、佐伯さんが来てたの覚えてる?」
「うん、会社の人で義兄弟姉妹でしょ…、私も義兄弟姉妹の一員になれるのかしら?
「ああ、真面目に学習に取り組んでいたらみんなが認めてくれると思うよ。
 その佐伯さんの娘さんが六年生なんだけど、僕らの学習会に参加してくれる事になってね、まだスケジュールは未定だけど。
 まあ、学習に来るのが目的だから無理に仲良くする必要はないからね。」
「でも…、どんな子なの?」
「数学が得意でね。」
「六年生でしょ、算数じゃなくて数学?」
「予習で先に進んでいるんだ、雅ちゃんは算数得意だよね。」
「普通に百点だったわ、小学校の算数って簡単なの…、そっか、先に進んでも良かったんだ。」
「僕と真子の出会いは中学生の頃の高校生バトルでね。」
「ふふ、中学生で高校生バトルなのね、でも高校生バトルってまだ良く分かってないかな。」
「僕らにとって学習はゲームなんだ。
 今も高校生バトルの名称で事業展開をしてるのだけど、中学の内容も少しずつ充実させていてね。
 佐伯さんの娘、詩織ちゃんにも確認作業とかで、うちの会社に貢献して貰おうと言う話しになってさ、今までも遊びに来てくれたり、みんなで遊びに行ったりしてたのだけどね、家は一郎兄さん達が住んでる集落だから近いんだ。」
「やはり三郎兄さまのファンなの?」
「はは、ファンかどうかは分からないが仲良しだよ。」
「頭は悪くないのよね。」
「その辺りは遺伝も関係してるのかな、佐伯さんは多くの学生から尊敬されてる人なんだ。」
「そっか、私もね、本当のお父さんは頭の良い人だったってお母さんに言われてたの。
 でも…、あのまま施設で暮らしてたら、学校の成績は悪く無くても、どうなってしまうのか分からなくて…。」
「環境の要因は人の成長に大きな影響を与えるって実感しているのかな?」
「うん、ここに来てまだ大して経っていないのに、顔つきが穏やかになったって言われてね。
 まあ、笑うと言う事を忘れかけてたから…、ここでは誰も学校へ行けとは言わないし。」
「当然さ、学校へ行かなくても雅ちゃんは学習にしっかり取り組めてる。
 同年代の子との付き合いは無くても、大人と接する中で多くの事を学んでいるだろ、弁護士の先生から教えて貰う機会なんて普通の小学生には無いからね。
 僕らは、ただ、雅ちゃんが素敵な大人に成長してくれる事だけを考えているのだけど、今の学校はその為に絶対行かなくてはならないと言う程のものではないと思ってるんだ。
 本を読めば理解出来る簡単な事を時間を掛けて説明されても無駄でしかないだろ。」
「ふふ、ホントに学校へ行かなくて良いのなら、もっと学習したいかも。」
「良し、じゃあ中学生向け新形式の数学バトルが有るんだ、一緒に取り組んでみるか?」
「うん!」
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