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バトル-79 [高校生バトル-08]

「三郎お兄さま、遺産相続の話しは微妙みたいです。」
「微妙?」
「今の所、遺産は部屋を引き払う費用を差し引いても、売れる物を売れば何百万円とかにはなるそうです、でも、どこから借金が出て来るのか分からないそうで、法的に根拠の有る借金が多かったら相続しない方が良いそうです。」
「雅ちゃん、理解出来てる?」
「出来てませ~ん。
 ただ、友香姉さまは一番良い形にしようって、私の将来を考え自由に使えるお金が有ると良いのだけど、もし無かったとしても、普通に進学し結婚するのに不自由をさせないから安心してって。」
「はは、友香姉さんは雅ちゃんが自分の夢を持った時、沢山のお金が必要になる事も想定してるんだよ。」
「でもね、あの人が稼いだお金って…、どんな悪さをして稼いだお金なのかなって思うと…、私もお兄さまみたいに自分の力でお金を稼ぎたいかな。」
「雅ちゃん、僕の場合、自分の力では無くてね、大勢の人に手助けして貰っての給料なんだよ。
 それと雅ちゃんはまだ小学生なのだから、今からお金のことを学習して行くべきでは有るけど、お金の心配をする必要は無いからね。」
「うん、全然心配してないわ、着てる物も心機一転一新したいって言ったらパンツまで全部新品を買ってくれて、却下されると思って言ったのにお兄さまが出して下さったのでしょ。」
「大した額ではないさ、雅ちゃんには気持ち良く僕らの妹になって欲しいからね。
 雅ちゃんが沢山の本を読んで来た子と言うのも嬉しくてね、心機一転だなんて言葉、小学生はあまり使わないだろ。」
「そう言われるとそうかも、でも、それが生意気だって言われた事が有ったかな。」
「全然生意気なんかじゃない、むしろ…、大人達が雅ちゃんの事を実際より大人だと勘違いしないかが少し心配、良い子で居るとか無理してないか?」
「無理なんてしてないわ。」
「雅ちゃんは大人達が考えてることって、それなりに分かるでしょ。
 もっと甘えて良いんだよ、勿論我儘が過ぎたら怒られるけど、そこのバランスを考えながらね。
 お父さんは甘えて欲しそうだな~。」
「でも…、まだ照れくさいと言うか…。」
「お父さんと呼ぶのに抵抗が有るの?」
「そうね、あの人をお父さんと呼ぶ事は必要がなくてあまり無かったけど…。
 お兄さま、パパって呼んだら駄目かしら、パパ、ママって。」
「うん、お父さん達がどんな顔をするのか見てみたい、ついでに少し甘えてみたら?
 一応、僕らは役割分担を考えていてね、お父さんは雅ちゃんを見守る人、友香姉さんはお金の管理を雅ちゃんが自分で問題無く出来る様になるまで担当みたいな。」
「へ~、お兄さまは?」
「雅ちゃんが社会の一員として守るべき事を出来てなかったら叱るのが役目、今の所、叱る必要はなさそうだね。」
「うん、お兄さまとしては叱りたいの?」
「まさか、一番嫌な役回りだから押し付けられたのさ。」
「ふ~ん。」
「あっ、今、わざと叱られてみようと思ったでしょ。」
「へへ、お見通しか、さすが私のお兄さま、もう私が何を考えてるかまで分かってしまうのね。
 ふふ、ちゃんと叱られない様に気を付けますよ。
 春子姉さまの担当は?」
「雅ちゃんに刺激を与えると話してたなぁ~。」
「刺激?」
「ああ、まあ楽しみにしてなって、一度に家族が増えたから少しずつ馴染んでくれたら良いよ。
 そうだな、頼み事や相談事が出来た時、誰を頼るのが一番良いのか分かる様になって欲しいかも。」
「もう大丈夫よ、まず三郎兄さまを頼るけど、女の子の事情については真子姉さまか春子姉さまで良いのでしょ。」
「う~ん、悪くは無いが他の家族も頼られたがってるのだけどね。」
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