SSブログ

バトル-73 [高校生バトル-08]

「なあ春子、養子の話だが、両親を事故で無くした姉弟の話が来たよ。」
「それだけで涙が出そうね、私はどんな子でも受け入れる覚悟を決めてるから大丈夫よ、幾つぐらいの子達なの?」
「小学五年生と二年生、面倒を見られる親族が…、組関係者の叔父は居るのだが高い塀に囲まれた別荘で暮らしているそうでな、そこから帰って来ても子ども達をまともに養育出来る人物では無さそうなんだ。」
「組関係者との接点が出来ると言うリスクが有るのね、お父さんはどう考えてるの?」
「当初は違った形の困難さをイメージしていたから微妙な気持ちは有る、親も組関係の人物でただの事故死なのか怪しいみたいだからな、それでも受け入れたいと考えている。
 彼らが家族の一員となるまでに時間が掛かろうが、トラブルに巻き込まれようがね。」
「お父さんにその覚悟が有るのなら問題無いわ、私達の集落は部外者立ち入り禁止でセキュリティーを強化してるから、市長になってもならなくても引越しを考えてみて、小学生にとっても暮らし易い集落をイメージしているからね。」
「それは構わないが、この家はどうする?」
「学生社員の合宿所にしても良いし…、ご先祖様に顔向け出来ない様にはしないわよ。」
「その方が良いのかもな、三郎も落ち着けるだろう。」
「その子達の受け入れ、タイミングとしては市長選の前か後かどうするの?」
「まずは彼らに会ってからだろ。」
「そうね…、始めはお父さん達と三郎と私ぐらいで会って…、ねえ、私達義兄弟姉妹がそれぞれ違ったアプローチをし、彼女達の反応を見るってどう?
 誰に懐くのか興味深いわ。」
「そうだな、心が荒んでいるかも知れないが…、小学五年生の女の子だと三郎に惚れてしまうのだろうか…。」
「会ってみて、私達の妹になることを受け入れてくれるかどうかを確認しながらになるのかな…。
 全くの他人が家族になるって…、兄弟の配偶者とは全く違うのよね…。
 この話し、兄さん達には?」
「まだこれからだ。」
「お父さんは市長選に向けて忙しいのに大丈夫なの?」
「忙しいと言っても、スタッフに任せてる事は多いからね、今までだって管理職の私が忙しそうだと感じたか?」
「そうね、ほとんど定時に帰って来て一緒に食事、私達の学習に付き合ってくれたり…、会社の人をうちに招いて…。」
「私の部署は余裕を持って回していたからな、余裕が有るから成果が上がる、成果が上がれば士気が上がる、効率ばかりを重視していると、かえってマイナスになるのだよ。」
「うん、私も、お父さんみたいに尊敬される人になりたいと思うわ。」
「もう充分尊敬されているのでは無いのか?」
「どうだか…、それで…、小二は兎も角、小五の女の子だとホントに難しそうよね、もう色々な事が見え来てる年頃で、う~ん、組関係の人達との接点はどうなのかしら?」
「その辺りは本人に聞いてみるしかないだろう、私達はひたすら聞き役となって…、問題は色々話してくれるかどうかだな。」
「うん…、お父さん、初対面の時は真子ちゃんにも会って貰おうか。」
「そうだな、女の子の事は春子が一番わかると思う、彼女達を迎え入れる中心になってくれるか?」
「勿論そのつもりよ、それなりの覚悟を決めた上で賛成したのだからね。」
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。