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バトル-50 [高校生バトル-05]

「次郎兄さん、社会学としての社会組織論と言う名称は取り敢えずのものなのね。」
「ああ、学校教育の場に組み込まれる可能性は低いが、組み込まれる事を意識した名称にしたくて検討中なんだ。」
「色々な意見が出て来て、お父さん、喜んでいたわよ。」
「はは、ぼんやりとは考えていたテーマだが形を整えて行く良い切っ掛けになったな。」
「ふふ、子ども達ばかりが団結して仲間外れ気分だったのだとか、兄さんの部下として雇う?」
「同族企業だと認知されてるとは言え、そこまでやってしまうのはマズイだろ。
 でも、情報を流して中間管理職の視点で助言して欲しくは有るかな。」
「三郎が提示してくれた流れには、親としての観点も必要だものね。」
「ああ、とてつもなく大きな問題で、一つの学問として体系的にまとめて行く事は難しいが…。
 生まれるまでは母のお腹の中で守られてたのが誕生と同時に社会の一員となる、に始まり…。」
「ひたすら守られる存在でも、周囲に影響を与え始めるのよね。
 三郎が生まれて、とても嬉しかったことは、しっかり記憶に残ってるもの。」
「そこから成長と共に集団や社会との関わり合い方が変わって行く。
 この辺りの事は小学生にも、もっと考えて貰うべきだと思うな、個人と集団の関係、いじめの問題を絡めながらね。」
「それなら三郎のちっちゃい頃の写真は沢山有るから、社会組織論(仮)の導入は、三郎の写真をスライドショー形式で見せながらにしても良いわね。」
「ああ、導入部ぐらいは柔らかくしておかないとな。
 組織や社会をテーマに話を広げ整理して行くと、単純に語れなかったり意見が大きく分かれそうな話も出て来るだろ。」
「国家組織と言う視点、会社組織と言う視点など、三郎が整理し易い形を提案してくれたけど、各テーマ毎に様々な問題を抱えているものね。
 三郎の提案に対して、学生社員の反応はどうだった?」
「より良い社会組織構築は人類永遠のテーマな筈なのに、教育現場で軽視されて来たのでは無いか、と言う指摘が有ったよ。」
「ふふ、教育者の組織だって問題だらけなのでしょ、本来の教育より利害関係が優先されてたりして…。」
「多様な考えを持つ人達が一つの組織を理想的な形にして行くのは難しいと思うよ。
 うちだって、今でこそ良い感じで回ってるが、これから先の事は分からない、だからこそ研究して行く必要が有る。」
「うん、リーダー論も考えて行かなくてはね、様々なタイプのリーダーが魅力的なトップリーダーの脇を固める事が出来たら、強い組織になると思うのだけど。」
「ああ、合併しても、その方向で行きたいね、大輔は企業の象徴として三郎を立て、組織を強化、社長は交代しながら取締役会を充実させて行くと言う方針だ。
 今は同族企業だが、会社のリーダーを経験させたい優秀な人には積極的に取締役を経験して貰う、勿論取締役社長も含めてのことだが、春子はそんな人材、見つけられそうか?」
「話を聞いてから気を付けてはいるけど、もう少し様子を見てからになるでしょうね、兄さん達からのプレッシャーに怖気付かないだけど強さが必要でしょ。」
「はは、春子の推薦が有れば問題無いと思ってるよ。」
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