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バトル-48 [高校生バトル-05]

「三郎、高校合格おめでとう。」
「お父さん有難う、でも合格して当たり前だから、それ程めでたくもないかな。」
「それでも、かろうじて合格と言う人もいるし不合格になった人もいると言う事を忘れるなよ。」
「うん、親しい友達以外と話す時は慎重に言葉を選ぶ様にしてるからね、自分の印象が悪くなると、そのままカンパニーの評価を下げる事にも成り兼ねないでしょ。」
「ふむ、会長としての責任を自覚しているのは良いが、それが重荷にはなってないか?」
「もう慣れたよ。」
「ははそうか、それで、三郎は義兄弟…、義兄弟姉妹の長兄になったのか?」
「させられた、年功序列の逆だから面白いとか、バランスが良いとか、あの六人が相手では歯が立たないよ。」
「真子ちゃんはどうなんだ?」
「義兄弟姉妹という考え方に喜んでた、婚姻による義理の兄弟とは一味違うし、僕らにとっての結婚は先の話しで、真子ちゃんの為に誓い合ったとも言えるからね。」
「なあ、先々離婚とか真子ちゃんと別れるとかも想定しているのか?」
「どうなっても義兄弟姉妹の契りを尊重して行く事になってるけど、兄弟が近くに住み協力し合って行く事も有って、そうなる確率は低いと考えてるよ。」
「そうだな、離婚した奴らとは雰囲気が違う、長兄を尊重して行く姿勢を皆が持っているのなら…、一番の年下が長兄と言うのは良い形なのかもな。」
「何事もなければ、普通に末っ子だけどね。」
「はは、考えてみれば会社での立場も面白いな、三郎が会長で大輔くんが社長だが、一郎や次郎以上に春子が一番強いとも感じられるだろ。」
「う~ん、どうかな、確かに春子姉さんの存在は大きいけど、皆、論理的に考えてるし、社員の声を尊重しているからね、学生バトルを構築して来た先生方は大人の立場で助言して下さるし。
 まあ、意見が分かれるのは、どちらでも良い様な事が多くてね。」
「あっ、春子も言ってたな、そんな時は三郎の判断なのか?」
「うん、多数決ではなく僕の判断を尊重して貰う事で決定後の動きが良いと大輔さんは評価してるんだ。」
「そうだな、三郎と言う特別な存在の判断ならそれに従おうと思い易いのかもな。」
「ワンマン社長とか独裁者の立ち位置の様な気もして微妙なんだけどね。」
「いや、人はリーダーを必要とするものだからな、判断を下した後は任せているのだろ。」
「勿論だよ、でも報告は貰ってて、必要を感じたら次郎兄さんを通して指示を出して貰ってるよ。」
「意見が分かれて判断に時間を掛け過ぎるより効率的で、指示を出しっぱなしで無いのなら、学生社員の理解は得られていそうだな…。
 真面目な話し、会社の連中に聞かせてやりたいぐらいでな、どうでも良い事に時間を掛けてる奴がいるのだが社内のパワーバランスと言うか…、なあ学生同士で指揮系統はどうなってるのだ?」
「一般的な企業をイメージしているから普通の会社と同じだけど、上司の指示に問題を感じたら取締役会に報告して貰っている。
 その報告は専属スタッフが内容を吟味し対応策を検討、取締役会の承認を経て実行、報告を受けた段階で大輔さんが直ぐに指示を出す事も有るけど、そこまで急ぐ必要の有る案件は少なくてね。」
「専属スタッフや大輔くんの判断はどう感じてる?」
「常識的な判断がなされていると思うよ、元々価値観の近い人が集まってるからね。」
「う~ん、学生社員同士だと年齢差が少なくて、一般企業よりスムーズに行き易いのかな、サークル活動みたいなノリでもあるのだろ?」
「そうだね、大輔さんは学生が企業活動について学ぶ場だという事を強調しているんだ、だからか問題にぶつかった時は皆で相談し乗り越えることが前提だと考えてる人が多いみたい。
 今度卒業して行く人達は後輩達の為に様々な失敗談や成功例を整理し残してくれて…、それは会社の歴史で有り会社の財産だと思ってるよ。」
「そうだな、私が就職した頃と今では随分変わってしまった、三郎、負の歴史を増やさない様にな。」
「うん…、ねえ、お父さん、これから就職する人の為に、そんな負の歴史によって生み出されてしまった上司の話とか、匿名で良いから紹介出来ないかな。」
「おっ、私にも出番が有ると言うことか、そうだな考えてみるよ。」
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