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バトル-47 [高校生バトル-05]

「春子、大学合格おめでとう。」
「有難う、でも今年は慶事が多過ぎて大学合格程度の事がめでたいのかどうか微妙なのよね。」
「いや、地元の国立とは言え苦労して入る人もいるのだから、そんな人の為にも推薦での合格を喜ぶべきだぞ。」
「そうね、嬉しそうにする様、気を付けるわ。
 ねえ、お父さんとしては何が一番嬉しいの?」
「何がと言われてもな…、一郎が転職して帰って来るし、次郎は大学を卒業して帰って来る、春子も含め三人には結婚の予定が有って、三郎と春子の進学…、立て続けに有る予定はどれも嬉しい事だよ。」
「やっぱり兄さん達が帰って来るのが一番なのかしら。」
「家族だからな、でも、お前たちの会社が当初思ってた以上に勢いが有るのも嬉しいかな。
 まあ、子ども達の為に働くという意味合いが薄れてしまって、少し寂しくは有るが。」
「ふふ、その分、孫達の為に蓄えておいてね。」
「子どもは何人とか考えてるのか?」
「そうね、真子ちゃんはまだ現実味が無いみたいだけど、義姉さん達はうちの一族を増やすつもりでいるわよ、お父さんも子育て手伝ってね。」
「ああ勿論だ、春子は学生結婚後の事をどう考えているのだ?」
「卒業を急ぐ理由はないでしょ、子どもが出来たら子育てしながら、無理せずベビーシッターをお願いするつもりだけど、保育所の設立も考えていてね、私達兄弟の子や社員の子を中心に受け入れ、人任せにするのでは無く私達も運営に関わって行くとか。」
「面白いかもな、お前たちの集落予定地に建てるのか?」
「ええ、周辺の川や散歩道をどう整備して行くのかも相談していてね。
 沢山の家が立ち並ぶニュータウンではなく、新しい集落としての理想像を描いてるの。」
「そうなると、小学校とかも設立か?」
「学校法人の立ち上げは兄さん達も意識してるわ、小学校を始めるのなら高校生バトルの付属校みたいな位置づけにし、どんな教育をしているのか公開、本やYouTubeで稼いで設備を充実させて行こうとかね。」
「私立だと運営が大変そうだな。」
「その代わり自由度が高くなるでしょ、不登校児向けの展開も大胆に出来るわ、ネットを利用した教育システムがうちの得意分野だけど、ここは自然環境に恵まれてるから遊びに来て貰っても良いでしょ、どうしても集団に馴染めない子は、そのまま通信教育で就職までの道筋を共に考えるみたいな事もしてみたいかな、まだ具体的な話しにはなってないけどね。」
「お前たちの話は壮大なものが多いが、優秀なスタッフが集まりさえすれば決して不可能では無いと思うよ。」
「でしょ、でも優秀なスタッフを集めると言うより、高校生バトルなどの展開で育て洗脳して行けば良いのよ、お正月に相談してた事も学生社員達は賛同してくれて、就職して行く人達の中には具体的な構想を話し合ってくれてる人達もいるのよ。
 うちのスポンサー企業に就職する人は、うちとの結びつきをより強固な物にして行く方法を考えてくれてるしね。」
「やはり、学生社員になった人達は意識が高いのだろうな。」
「麻衣さんはそれを強く感じてるみたい、有名私大でも意識の低い人は少なからずいるそうでね。」
「だろうな、意識の高い大学生ばかりだったら、世の中もう少しバランスの取れた社会になってると思う。」
「そうね、バランスの取れた社会は私達の大きな目標でも有るけど、ハードルはチョモランマよりも高くて…。」
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