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バトル-44 [高校生バトル-05]

「春子、昨夜は遅くまで話し込んでたみたいだな。」
「うん、冗談半分で始めた話が真面目な方向へ進んでね、ねえ、お父さんの会社、労組ってどうなの?」
「労組か…、うちは労使の対立が有る訳でも無く有るには有るが…、社長がまともだと存在理由が弱くなるのかもな。」
「そういう感じなのね、でもさ、ブラック企業には必要な存在でしょ?」
「そう言う企業は組合活動を抑え込んだりしてるのではないかな…、現実的に考えて労使関係が悪くて組合活動が盛んな企業に魅力を感じない…、ブラック企業と言うのは今ひとつイメージ出来ないのだが。」
「日本では労働組合の活動が盛んでは無いのでしょ、でも非正規雇用とか労働関係の問題は有る訳で…、昨夜、最初は秘密結社とか冗談っぽく話してたのだけど、若い労働者が中心となって新しい組織を作り企業を変えて行く事は出来ないのかとなってね。」
「壮大な話しだな。」
「うん、でも、高校生バトルを通して洗脳して行けば出来なくも無い話、まずは学生社員の意見を聞く所から始めるのだけど。」
「始めるのか?」
「学生社員の一期生が大学を卒業して就職して行くのだけど、そのまま私達との繋がりを無くしてしまうのは残念でしょ、核になる組織を作る事に成功したら色々な可能性が広がると考えてね。」
「そうだな、学生と社会人とでは…、具体的にどんな活動を想定しているのだ?」
「就職し慣れない環境で戸惑ってる人に対して助言して行く環境作りとか、転職したくなった時のサポートとか、仕事に関係する事だけでなくサークル活動を所属を越えて行ったり婚活の手助けをしたりと、表向きはね。」
「表向きなのか?」
「その裏で仲間同士が協力し合い企業内で力を伸ばし重要ポストを狙って行くとか、新しいスタイルの企業を立ち上げるとか。
 無力な若手社員でも協力し合えば職場の改革が出来るかも知れないし、起業を志す人の支援もね。」
「それだけの上昇志向が一般的な若者に有るのかな?」
「そこは意識改革、洗脳よ、高校生の内から大学に入学する事を目標とせず、就職後の事や起業を考える番組をYouTubeで展開して行くの、ミュージカルのテーマにもしてね。」
「そうだな、登録者数が桁外れに多いチャンネルは、その影響力も半端ないのだろうな。」
「うん、それだけに慎重さが必要なのだけど、私達には優秀な仲間がいるからね。」
「だが、人数が増えて意見が分かれる事は無かったのか?」
「そんな時は、三郎の判断。」
「社長の大輔くんではなく?」
「意見が分かれる時ってその根拠が曖昧でどちらでも良い様な事が多いのよ、だから三郎が決めたら皆がそれに従うみたいな感じ。」
「実際にそんな事が有ったのか?」
「何度か有ったけど三郎の判断で問題は無かったの、大学生達は意見が分かれた時の判断に対して学ぶ事が出来たみたい、どちらかを選ぶかより、決められた事を協力して進めて行く事に重きを置くべきかもって。」
「それは有るかもな、春子、企業のトップはワンマンか合議制かって話聞いたこと無いか?」
「ホントは合議制性が理想なのだろうけど、それだと判断が遅くなるのでしょ。
 ワンマン社長の即断即決が間違っていても、優秀な社員がそろっていればそれを正解に出来るとか。
 単純な話ではなく、トップが魅力的な人物だったらと言う前提が有るとは思うのだけど。」
「はは、そこまで分かってるという事は…、三郎はリーダーとして魅力的なのかな。」
「一つだけはっきり言える事が有ってね、三郎には邪心が無いのよ、純粋に最善策を考えて判断する。
 大輔さんと次郎兄さんが三郎を会長職にしたのは正解だった、そう話してくれる人は多いのよ。」
「ふむ、次郎や春子では微妙に腹黒さが滲み出てしまいそうだからな。」
「お父さんたら~、腹黒いのでは無く大人の判断が出来ると言って欲しいな~。」
「はは、大人は腹黒いって思ってるのだろ。」
「そんな事無いわよ、お父さんは素敵な大人だとずっと思ってるわ。」
「おいおい、真面目な顔をしてても目が笑ってるぞ。」
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