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バトル-40 [高校生バトル-04]

「明けましておめでとう、昨年と同じメンバーがこうして集まってくれて嬉しいよ。」
「一郎兄さんと次郎兄さんの結婚が決まって、お父さんとしては感慨深いでしょ。」
「まあな、四人の子ども達が立派に成長し、それぞれが素敵な配偶者を見つけてくれた、親としてこれ以上の事は無いだろう。」
「お父さん、真子ちゃんはまだそこまで考えて無いかもよ。」
「えっ、そうなのか?」
「ははは、その気が無かったらここにはいないでしょ、真子ちゃん。」
「勿論です。」
「う~ん、去年はもう少し、恥ずかしそうにしてたのにな。」
「春子さんに鍛えられましたから。」
「高校生活はどう?」
「そうですね、学校は何とか無難にこなしてます、学習は無理せず自分なりに頑張った結果が自分の実力と考え…、まあ、姉より高い結果を出していますので全く問題有りません。
 ミュージカルへの挑戦には緊張しましたが三郎くんと一緒に取り組んでいることで、充実した時間を過ごせていまして…、遊びでは得られない貴重な時間だと感じています。」
「そっか…、三郎くんはどうなの、次郎にこき使われてないのか心配だわ、YouTubeは毎日の様に更新してるでしょ。」
「麻衣さん、心配には及びませんよ、マイペースでやってますから。
 複数回分をまとめて録画しているのですが、毎回出てても自分達の出番はそれほど長く無いのです。
 今は…、歌のクオリティを上げる事が課題ですね。」
「結構な視聴回数でしょ、CDを出す話は出て無いの?」
「次郎兄さん、配信の話は進んでる?」
「ああ、CDを出すよりは簡単、録音をし直す時間が取れたら直ぐにでも始められるよ、著作権関係は調べて有るからね。
 配信と並行して、ミュージカルの解説とか関連書籍の制作販売も考えてるんだ。」
「儲かりそうなの?」
「赤字にはならない自信は有る、ただ海外でどれ程の売り上げになるのかは全く分からない。」
「英文のコメントを見てると三郎くん目当ての女性ファンが多いのよね。」
「みんなの弟というキャッチが正解だったな。」
「そうよね、私の義弟になるって話すと羨ましがられるのよ、次郎と結婚するって言っても軽く流されるのに。」
「それは付き合いが長かったからでしょ、次郎兄さん、英語教材チームが取り組んでる読み物だけど三郎の写真を入れようよ、メインターゲットは女子高生でしょ、うちの高校ではみんなが三郎の写真を持ってるのよ、ね、真子ちゃん。」
「私としては微妙なのですが、彼氏としてではなく理想の弟として妄想してるみたいです。
 私の事を弟の彼女という扱いで接して来る、おバカな子もいるのですよ。」
「そうか、会社の利益に繋がるのなら、そう言ったグッズをもっと展開して行くべきだな、良いだろ三郎。」
「良いけど…、売れなくても知らないよ。」
「そこは、視聴者の心理を突いてだな…。」
「女子高生だけでなく女子大生もターゲットに入れるべきだわ、春子さんが編集長になって雑誌を企画してみてはどう?」
「友香、春子に出来るのかな?」
「大丈夫よ、ね、麻衣。」
「うん、私達も手伝うし、ゆったり制作して年一回の発行でも良いのよ、ネット版と同時発行にして紙の方には紙ならではのおまけをつける、友香と少し構想を練ってみたのだけど、編集長はやっぱ春子でしょ。」
「友香と麻衣さんがそんな話をしてたとはね。」
「ふふ、麻衣は五か月年下の義姉になるのだから連絡を取り合って来たのよ。
 今のカンパニーなら雑誌の一つや二つ、発行する余力は有るでしょ。」
「次郎、どうなんだ?」
「勿論問題ない、春子の功績は大きいからな、麻衣の事だから収支の計算は出来てるのだろ?」
「ええ、スポンサーをお願いする企業のリストも作ってみたわ、営業担当が余程無能でない限り、その五十%は確保出来るでしょう。」
「そうやって、営業担当にプレッシャーを掛けるのですね。」
「そうよ三郎くん、ちなみにカンパニーでの営業成績は上位なのよ、私。」
「やっぱ綺麗な人に頼まれるとおじさん達は簡単に落ちるって事?」
「ふふ、どうかしらね~。」
「その美女は、中学生におだてられて舞い上がる訳か。」
「兄貴よ、そう言う的を得た発言は社内での好感度を下げる事になるのだぞ。」
「うっ、麻衣さん、美女という部分だけ覚えておいて後は忘れてくれないか…。」
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