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バトル-39 [高校生バトル-04]

「三郎、企画が増えて忙しくなってないのか?」
「大丈夫だよ、ミュージカルは音楽バトルの上位者も出演してくれるし、株バトルは日常生活に影響する様なデイトレードをしない前提だからね。
 高校は普通に受かると思ってて、結構自由にやってるよ。」
「それなら良いが、サポートカンパニーの売り上げに大きく貢献しているのだから無理はするなよ。」
「うん、一郎兄さんは転職、どうするの?」
「話は進めてる、佐伯さん同様二つの会社に籍を置くことになるのだけど、佐伯さんとは違う角度から社内を見た後、取締役にと言う話が来ていてな、大企業の平社員よりは面白そうだと思わないか?」
「業務拡大して行くの?」
「ああ、高校生バトルの運営と高校生バトルサポートカンパニーが合併する話が出てるだろ、そのタイミングで、資格試験をサポートする企画を立ち上げる案を出して有る。」
「大輔さんのとこは?」
「佐伯さんが見直しただけでも効率が良くなり始めてるからな、展開している事業を拡大しつつ、そのノウハウを活かして新たな事業展開を視野に入れてるよ。」
「無理なく出来そう?」
「ああ、佐伯さんは俺の頼れる先輩という肩書を上手く活かして…、大卒では無いって事が逆に印象を良くしてるみたいなんだ。」
「へ~、そう言うものなのか、学歴差別が有ったのでしょ。」
「親父さんは元々実力主義だからね、佐伯さんの話しは人を納得させる、引退する常務取締役の後任にと言う話が出ても反対する人はいないそうだよ。」
「兄さんの取締役就任も?」
「まあな、俺の場合は学歴が説得力にはなっているが、俺と次郎で高校の改革を進めた話は…、まあ田舎の良いとこで誰もが知ってる、全国的な知名度では、すっかり三郎に抜かれたけどな。」
「ねえ、知名度は武器だと思う?」
「そうだな、武器にはなるが時には足を引っ張られる事も有るだろう、テレビに出て無くてもね。
 知名度を武器に何か考えてるのか?」
「今は考えてないけど…、将来普通に就職と言うのはどうかと思い始めてさ。」
「三郎はやりたい事をやったら良いさ、真子ちゃんに見捨てられない程度にな。」
「一郎兄さんは中三の時、就職とかまで考えてたの?」
「全然だよ、漠然と大学は意識してたけどね。」
「大学に通ってみてどうだった?」
「良かったのは学生のレベルが高かったという事かな、話題が高校とは全然違ってね、友香とも出会えたし。」
「兄さんが転職したら友香さんはどうするの?」
「大学卒業後はこっちに来て貰う話を進めてる、まあ三郎の義姉になるってことだな。」
「結婚?」
「ああ、彼女が大学を卒業したらね。
 仕事は中学生を対象とした高校入試向けバトルの管理業務を続けて行く事になる。」
「そっか…。
 中学生バトルの方向性は悪く無いと思うよ。」
「どの辺りが?」
「階級を細かく分け、各階級内での順位争いと昇級を目指すシステムになったでしょ。
 到達可能な目標が有るという事は大切な事だと思うんだ。」
「中学生向けはまだ充分ではないのだろ?」
「それでも、取り組む人が増えたし、その中には中学生バトルの運営に興味を持つ人も出始めてね、姉さんが話した、受け身では無い学習の話に刺激されたみたいで。」
「ふむ、良い傾向だな。」
「そこから、意識の高い中学生が連絡を取り合える環境を作る話が出てるんだ。
 難しい話題を語り合える仲間を求めてね。」
「そうだな、俺が中学生の時も、もう少し大人な会話をしたいと思ってた。
 ネットを通してでも、そう言う仲間が見つけられるのは良い事だな。」
「うん、政治経済の話が出来る中学生は希少生物だからね。」
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