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バトル-36 [高校生バトル-04]

「三郎、この前の番組は見てくれた?」
「うん、結構時間を貰ってたね、自分的には次郎兄さんが熱く語ってた学生社員の話が面白かったよ。」
「はは、他は知ってる事ばかりだったからだろ。」
「サポートカンパニーを立ち上げるに当たって社員教育を考えてたとは知らなかったからね。
 番組で話してた通りの成果が上がってるの?」
「ああ、大卒新人が企業で役に立たないと言う話を聞いた事が有り、起業に当たって結構調べたんだ、そしたら全般的に大卒新入社員の評価が低くてね。
 まあ、学生は就職したら研修で教えて貰えるぐらいの感覚、企業側は多くを望まず諦めてる、みたいな感じだったのさ。」
「所謂高学歴の人達でも?」
「学歴が高くても、ビジネスの現場でまともに通用する語学力が不足しているとか、電話の応対がまともに出来ないとか、まあ、学生時代にバイトとかで経験してなくては難しいのだけど、雇う側と雇われる側の意識にはギャップが有るんだ。
 このギャップは双方にとって大きなマイナスだと感じたから、サポートカンパニーに参加してくれる学生には、その辺りの事をはっきり話す事にしたんだ。
 社員として働く実習と言う側面を強調して募集したからね。」
「番組では、大学生が起業した会社だからと、他社との交渉の過程でも素直に教えを請いながらと話してたけど、実際はどうだったの?」
「ホントにうちのメンバーは素直な奴が多くてな、一旦就職活動を止め、場合によってはずっとうちで働く事も意識し始めてた連中が、スポンサー交渉してた先から誘われて内定を貰ったりしてる。
 就活とは違った形で向かい合えた事が良かったと、互いに思ってるらしい。」
「う~ん…、就活の時とは話す内容が違うという事?」
「交渉しながら、教えを請うていただろ、上昇志向が有って素直な存在を部下に欲しいと思うのは自然じゃないのかな。
 相手の会社側としても就職して来る大学生の質が向上すれば嬉しいと考えてか結構助言して貰えた、その内容を整理し社員で共有したから、学生社員の意識が高まり質も高くなったのさ。」
「助言を貰って就職までに足りない所をカンパニーで働きながら身に着ける事も出来るのだから…、アルバイトでは無く大学を卒業して就職するまでの社員と言う形は正解だったんだね。」
「ああ、後輩に引き継ぎながらね。
 始めはずっとサポートカンパニーで働く選択肢を意識してた連中が、実習の場としてのカンパニーを後輩に引き継いで行くべきだと考える様になり、更に活気が出て来てるんだ。
 『就職するまでに身に着けておきたい常識』って本の出版を進めるぐらいにね。」
「そう言う展開もしてたのか…、皆さん大学とカンパニーの両立は出来てるの?」
「まあ、それぐらい出来なきゃなって、彼らのプライドを刺激するのが俺の役目なんだ、時におだてながら。」
「はは、でもそれだと、人の入れ替わりが一般企業より激しくなるよね。」
「その分人件費が抑えられるし、常に若い会社で居られる、ただ、副業が禁止されて無い企業に就職した場合は学生社員を見守る立場で残って欲しいとはお願いしてるんだ。
 うちは公益性の有る企業だし、彼らの就職先との繋がりも強固なものにして行きたいからな。」
「スポンサーとの関係は良好なまま保ちたいものね。
 兄さんが熱く学生社員について語っていたのにはそんな背景も有ったんだ。」
「金儲けだけを考えて起業した訳ではないからな。」
「その、金儲けの方はどうなの?」
「スポンサーが増えてるし、三郎達がYouTubeで稼いでくれてるし、グッズやイベントの売り上げも有る、三郎の給料も上げられるがどうする?」
「う~ん…、そうだな…。」
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