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バトル-35 [高校生バトル-04]

「ミュージカルですか…。」
「真子ちゃんは乗り気じゃないの?」
「いえ、それ以前に出来るのかどうか…、私に…。」
「大丈夫よ、生の舞台で演じる訳でなく、録画し編集して完成させて行くのだから今まで英語チャンネルでやって来た事とそんなに変わらないのよ。」
「姉さんは、どんなストーリーを思い描いてるのかな?」
「そうね、中高生の日常を描いて行くのだけど、高校生バトルの紹介や社会問題を含めた様々なテーマを結論在りきでは無く視聴者にも一緒に考えて貰うみたいな感じでどうかしら?」
「本格的なお芝居ですか?」
「変にお芝居っぽくしない方がリアルで面白くないかしら、ミュージカルだから歌の部分はデフォルメされるけど。」
「歌が特に大変そうだな、曲はオリジナルになるのでしょ?」
「そこは日本のメロディーに英語の詞を付けてってどう?
 別に訳詞にする必要はないのよ、替え歌って言えば良いのかな、反響が有ったら元歌を紹介しても良いわね。」
「春子さん、ターゲットのメインは海外の方なのですよね。」
「勿論よ、一回十五分程度、始めは一ヵ月に一回ぐらいのペースで更新、撮り溜めて事前にチェックして貰いながらになるのかな…、目標は週一更新、焦って公開する必要は無いから完成度を上げてからのスタートでも良いわね。」
「連続物だと当たれば大きいのかな…。」
「十話で始めて知ったという人が一話から見てくれる可能性が有りますね、う~ん、一話から見たくなるレベルに出来るかどうかが問題ですね…。」
「既に英語チャンネルの登録者数が二百万人を越えてるでしょ。
 スタートまでにまだまだ増えそうだし、歌だと何度も閲覧する人がいて視聴回数がぐっと伸びる、だからミュージカルなのよ。
 売れない映画よりうんと低予算で制作出来て高収益が期待出来る、失敗してもダメージは小さい。
 ファンを増やせたら、まともに作った映画以上に稼げるかも。」
「取らぬ狸では悲しいかな。」
「大丈夫よ、テーマ毎にキャストを入れ替え、ロケでも変化を付ける。
 さり気なく地元の風景を紹介し、観光案内の要素を加えるとか何でも有り、メインキャストが登場しない形でもストーリーを展開させるから、あなた達にとって大きな負担とならない様にするし、場合によっては留学した事にして長期間休むことも可能だからね。
 まあ、テレビ番組に安いギャラで呼ばれるよりは良いと思うのよ。」
「春子さん、テレビ局からの出演依頼はどうなったのですか?」
「この前話した通り、私達は暫くの間は出ないと言う方針で通せそう、代わりに次郎兄さんと大輔さんが出る方向で話を進めていてね、二人で色々宣伝させて貰いながら状況を把握した上で、私達のテレビ出演を考えて行くって、ギャラ次第では有るけど。」
「三郎くんが出演したら視聴率取れそうね。」
「こういう活動はYouTubeだけで充分だよ、趣味的に続けることは有っても芸能人になる気はないからね、タレントに会えると言われても、特に会いたい人が居る訳でも無いし。
 そうだな、メインチャンネルで大輔さんをゲストにテレビ出演ネタを公開したら、春子姉さんの婚約者という事で視聴数が伸び、テレビ局のギャラ以上に稼げるんじゃない?」
「ふふ、まあ今の所、必死になって稼がなくてはならないと言う状況では無いのだから、そう言った奥の手はもう少し温存して置いても良いと思うの。」
「高校生バトルを宣伝して行く必要は有るのですよね。」
「必要性は有るのでしょうが、もうワンランクシステムを増強してからという話も出てて、焦る必要は無いのよ、そうでしょ三郎。」
「うん、リスクを分散させつつアクセス速度を落とさない、焦らず確実にシステムを強化しながら拡大して行く、佐伯さんに教えて貰ってるのだけど焦ると失敗するって。」
「三郎くんは、佐伯さんの話しに付いて行けてるのよね、私は早々と諦めたのだけど。」
「僕は兄さん達にシステムの事も教えて貰ってたからだよ。
 もっとも、佐伯さんは一郎兄さんとは違った角度から考えるヒントをくれるから面白くてね、システムって言葉自体から考え直しているんだ。
 コンピューターのシステムを最大限に有効利用するには人のシステムを考え直さなくては行けない。
 人のシステムを極力良いものにする為、コンピューターのシステムを充実させる。
 この辺りの基本を忘れて失敗する人もいるそうだよ。」
「う~ん…、落ち着いて考えると当たり前の様な、でも難しそうな…。」
「姉さんは、さり気なく人のシステムに影響を与えてるのでしょ。」
「ふふ、大したことはしてないわよ。」
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