SSブログ

バトル-33 [高校生バトル-04]

「三郎、中学三年生向けの公立高校入試対策バトル、参加者がぐっと増えたのは私達の宣伝映像効果だと担当からお礼の電話が有ったわよ。」
「はは、お礼なんて良いのにね、YouTubeを使っての宣伝動画は視聴回数がかなり伸びたのだから。」
「だからお礼の電話が来たのだけど、それなりの収入になるものね。
 まあ、四月の新高校一年生を対象としたバトルと比べても参加者数がうんと違うのだから、お礼を言いたくなる気持ちは分かるわ。
 それで、三郎はバトルの得点や順位を公表するの?」
「うん、自慢になる様な結果で無くても、堂々と発表、反省とかを動画にまとめて貰おうと考えてる、大した内容で無くても、僕の結果に興味を持つ人はそれなりにいそうでしょ。」
「そうね、今回が中学三年生として初めての公式参加とも言えるのだから三郎ファンの皆さんは興味深々かも。
 ねえ、今までは高校入試にも役立つバトルだけど基本は高校生の為と言うのに取り組んで来たでしょ、今回中学三年生向けとなって違いは有ったの?」
「うん、全部解いても構わないのだけど、まだ学習してない範囲を開始前に外す事が出来たんだ。
 範囲を減らした人も百点満点になる様に計算した参加者全員の順位と、全問にトライした人だけでの順位が出るみたい。」
「そっか、少しシステムを進化させたのかな。」
「でも不正は仕放題なんだよね。」
「公式なもので無いし、不正して上位に入る人がいた方が、真面目にやって上位に入ってしまう人達の気を引き締める効果が有ると思わない?」
「そうかな…。」
「でもね、一郎兄さんの先輩がカンパニーに入って下さったら、不正しにくい試験システムを構築出来るかもって。」
「へ~、でも完全に不正を無くすことはやっぱ難しいんだね。」
「高校生が中学生だと偽って登録するのは見抜けないでしょ、そんな事をしても意味はないのだけど。」
「どんな感じなのか教えて貰ったの?」
「パソコンに付いてるカメラを使って問題に取り組んでいる様子をAIを利用してずっと監視みたいな発想、パソコン画面の進行と回答状況を分析しながらになるとか、本格的にやるならカメラの台数を増やさないとダメみたいだけどね。」
「高校生バトルは公式なものでは無いからそこまでは必要ないかな。」
「ただね、高校生バトル事務局では近い将来通信教育を出来ないかと考え始めているそうで、ネット環境が有ればどこに居てもテストが受けられるという形も考えて行きたいのだとか、かなりハードルが高いのだけどね。」
「へ~、通信教育って良く分からないのだけど。」
「ネットの普及で随分進化したみたいだけど、単位の取得には試験会場へ行かないと駄目だったりするの、レポートの提出とかでも良さそうなものだけど、それだと誰が書いたのか分からないでしょ。」
「通信教育でも卒業資格が得られるのだよね。」
「ええ、結構有名な大学でもやってるのだけど、卒業したら普通にその大学の卒業生、それだけに単位の取得はいい加減に出来ないのだとか。」
「へ~、学歴か…。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。