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バトル-32 [高校生バトル-04]

「次郎、カンパニーの運営は順調なのか?」
「うん、思ってたより大勢の優秀な連中が実習を兼ねて参加してくれているのだけど、みんなのテーマは理想の組織なんだ、兄貴は就職してみて会社組織をどう捉えてる?」
「そうだな、世代間のギャップを感じることは有る。
 五月に新規で開発チームが立ち上がったのだけどな、上の連中は大卒を中心に回したいみたいで、高専卒のエキスパートを外したんだ。
 それがさ、俺は別で研修中なのだけど、俺や高専卒の先輩が関わったら三日ぐらいで終わるレベルまでに三か月掛かっても到達出来てなくてな。」
「専門性の高い分野という事?」
「ああ、上の連中も良く分かって無いし、チームの中にはほとんど一から学習してる人もいる、まあ、時間が掛かっても人が育てば良いと言う考え方も有るが、学歴差別で外された高専卒の先輩を頼る訳にも行かず効率の悪い事をやってるよ。
 お蔭でその先輩とは気が合い、頼らせて貰ってるけどな。」
「学歴がそんな形で影響してるのか…。」
「少し残念な会社に思えて来たから、一通り学び少し経験を積んだら、早めに転職を決意するかも知れない、上司次第だけどね。」
「兄貴なら高校生バトルサポートカンパニーは何時でも歓迎するよ。
 システムに対しての構想は色々出てるのだけど、それを実現出来るだけの力がまだ足りてないんだ。」
「給料は良いのか?」
「スポンサーが増えてるし、YouTubeで稼いでいるからね、かと言ってYouTubeに依存し過ぎていては先々何が有るか分からないでしょ。」
「はは、三郎があんなに歌が上手かったとはな、会社でも自慢していて再生回数には貢献してるぞ。」
「英語チャンネルもじわりと伸び始めていて楽しみなんだ。」
「なあ、俺はもう少し会社を経験したいのだが、先輩を雇う事は可能か?」
「兄貴が頼れる人なんて希少だろ、これからの展開を聞いて貰って相談に乗って欲しいかな。」
「学歴差別に嫌気がさして転職を考えてみえるんだ、もう大企業には興味が無いそうでね、今も転職先を探してると思うから連絡して良いか?」
「うん、エキスパートとしてシステムエンジニアを目指してる連中の教育も意識して欲しいと伝えておいてね。」
「了解。」

「随分長かったけど、どうだった?」
「結構乗り気で、高校生バトルと高校生バトルサポートカンパニーについて調べてみるそうだ、今日中に一度連絡をくれる事になってるからその時には直接電話で話してみるか?」
「そうだね、大輔は了解してくれたから場合によっては面接の話まで進めるよ。」
「ああ、頼むな、ところで今後の企画はどうなってる?」
「今進めてるのは『人に伝える』をテーマにスピーチや作文に関連した企画、音楽バトルや英語の企画と同じ様な形で出来るから比較的簡単に始められそうなんだ。
 作文は高校生バトルの小論文とは趣を変え、読んで楽しいテーマにしてね。」
「スタッフが足りてれば進めて行くという事なのか?」
「うん、急拡大は歪を生じさせかねないし、音楽バトルは大学生以上の展開も始めるからね。
 その先は四コマ漫画選手権みたいなのも考えてる。」
「軽そうな企画だな。」
「軽いけど、難しい一面が有ってさ、完全にオリジナルの人物画って難しいだろ、普通にやったら著作権的にアウトやグレーゾーンの作品ばかりになりそうでさ。
 担当者はこの企画に協力してくれそうな漫画家を探しているんだ。」
「それは大変そうだな、企画内だけ二次作品オーケーにして貰うのだろ。」
「まあ、担当を買って出た女史は、あわよくば漫画家と直接会えるかも知れないと目論んでいるのだけどね。」
「はは、そういう発想は大切だな。」
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