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バトル-31 [高校生バトル-04]

「春子、英語チャンネルの調子はどうなの?」
「ボツボツってとこね、まだ今までのチャンネルとは登録者数に大きな開きが有るけど、それでもコメント欄には海外からの書き込みも来始めているのよ、お母さんも見てね。」
「そうね、英語は学生時代までで、使う機会が余り無かったからハードルが高いのだけど。」
「三郎達の歌だけでもさ。」
「歌もアップしてるの?」
「三郎と真子ちゃんがどれだけ海外に通用するのかは分からないけど、演出に工夫を凝らしてね。
 英文のコメントでも結構褒めて貰ってるのよ、歌が上手とか愛らしいとか。」
「まだ十五歳だものね、日本人は幼く見られるのでしょ。」
「でも、これから英語が上達して行けば、私達が伝えて行く内容も変化し評価は変化して行くと思ってるの。」
「難しくなるのかしら?」
「ええ、高校生バトルの紹介がメインだけど、その高校生バトル自体が先を見据えてるからね。」
「先?」
「かなりマニアックなバトルが有るでしょ、その最上級の人達で研究会を発足させようと言う動きが有るのよ。」
「分野によっては競ってるより協力して知識を深めて行こうって事かしら。」
「うん、そこにね結構大きい私立大学がスポンサーの名乗りを上げているそうでね。」
「大学の宣伝にもなるのかしら。」
「それも有るのだろうけど、そこの教授は研究会のメンバーが全員他の大学に進んだとしても、その大学の研究室との繋がりを作ってくれたらそれで良いとかで、大学間の競争より学生の研究環境を充実させたいそうでね。
 今はネットで情報交換出来るのだから金銭的な負担は少ないだろうって、文系だから比較的ハードルが低いそうでね。」
「開かれた大学と言う事かしら?」
「大学生の絶対数が減ってるでしょ、そんな環境下でより良い研究者を育てて行くには今まで通りでは駄目だと考えての事、就職で全く違う分野に進んでも、趣味で研究を続けられる環境も意識しているそうなの。」
「そうよね、文学部を卒業しても就職は車の営業、なんてざらだものね。」
「更に、そこから発展させて学会の活性化とか、その分野の教育水準を上げて行くとかも。」
「随分意欲的なのね。」
「大学の現状に疑問を抱いての事だそうなのだけど、彼の大学は総合的な改革を考えてるとか。」
「高校生バトルが教育界に大きな影響を与え始めてることを証明して下るのね。」
「うん、次郎兄さんが関わり始めてからサポートスタッフが増えただけで無く、その組織が良い形でまとまりつつ有るでしょ。
 私の周りでは予備校や進学塾へ通わず高校生バトルのサイトを活用する事で偏差値を上げようと考えてる人が結構いるのよ。」
「不安は無いのかしら?」
「その辺りは自分に見合った大学で良いって考えが広がりつつ有るみたい。
 何の為に大学進学するのかって議論も盛り上がっているからね。」
「春子は早々と第一希望を決めて、そこに余裕で合格するつもりなのでしょ。」
「多分推薦入試で合格でしょ、高校生バトル関連の実績、自己PRは文章でも口頭でも大丈夫、学費は大輔さんのお父さまが出して下さるから、お母さんは全く心配しなくて良いのよ。」
「親としては、手が掛からなさ過ぎて寂しいぐらいなのだけど。」
「ふふ、その分三郎の心配をして上げて、カンパニーの会長をしながら、結構な人気者になってしまって戸惑うことも有ると思うの。」
「それって、春子が仕掛けた結果でしょ?」
「まあね。」
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