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バトル-26 [高校生バトル-03]

「春子、サンプル演奏は音楽バトルの対象外にしないとマズくなってしまったな。」
「そうね、サンプルなのに視聴数が伸び過ぎてしまって一般参加者と同列には置けないものね、でも本番スタートに合わせて新作でエントリーなら問題ないでしょ。」
「う~ん、すでにサンプル演奏で宣伝済だからな、チャンネル登録者数も伸びてるし、次回作を望むコメントも多く寄せられている…、四位以下だったら賞の対象としておこうか。」
「それで良いわ、高校生バトルサポートカンパニーの資金源にしたいし、真子ちゃんも高校が決まり三郎とのデュエットに力を入れたいって、幾つエントリーしても良いのでしょ。」
「ああ、何か企画が有るのか?」
「うん、ただ歌を披露するだけでなく、その歌に関連して歴史とかを紹介して行こうと思うの。
 音楽や社会の先生が乗って下さって選曲中でね、編曲もお願いして有るのよ。」
「それは良いね、高校生バトルの趣旨にも合ってる。
 一般参加者が真似してくれたら面白くなりそうだな。
 高校生向けに音楽史を学べる形にして行く事も考えてみようか。」
「そうね、音楽の先生とも相談してみるわ。
 トークの方は次郎兄さんが三郎達にアドバイスしてね。」
「構わないが春子は話さないのか?」
「私は台本を書いたり裏方をしながら三郎達の才能を伸ばして行きたいと考えてるの。」
「分かった、必要なら大学生のスタッフを増やすから希望を出してくれよ。」
「うん、今度は背景とかにも拘りたいかな。」
「そうだな、気合を入れたプロモーションビデオみたく仕上げてみるか。
 う~ん、歌だけでまずアップ、歌と解説でアップとすれば更新回数を増やせる、なあチームを組んで毎日更新を目指せないか?」
「そうね…、合唱部や吹奏楽部にはそれぞれでチャンネルを立ち上げて貰おうと思ってたけど、私達のチャンネルからエントリーして貰えば良いのよね。
 春休み中に企画をまとめ、各部の部長や先生方とも相談してみるわ。」
「じゃあ、こっちは撮影環境の充実を考える様に指示を出しておくよ。
 質の高い作品がエントリーされると他への刺激にもなるからな。」
「予算は大丈夫なの?」
「大輔の親父さんからは、必要な先行投資をケチるな、と言われてる…。
 親父さんなら春子の為にスタジオぐらい簡単に…、地元の活性化にも繋がる事だから大輔と相談してみるよ。」
「スタジオか…、私達が使わない時間帯は老人会にでも使って貰う?」
「老人会?」
「趣味の演奏とかをYouTubeにアップしましょうとそそのかしてのスタジオ利用料とか、今時のお年寄りは自分でYouTubeにアップしそうだけど、その手伝いもして…、高校生バトルサポートカンパニーとしての収入源は増やしたいでしょ。」
「人件費との兼ね合いが難しいが、地域の活性化という側面も有るという事だよな。
 サポートカンパニーの本拠地はここになるのだから考えてみるよ。」
「四月からのリモートワークは大丈夫?」
「ああ、基本的な組織はかなり出来た、今だって直接会って話してる人は僅かだからな、実際に動き始めてみて、本社を東京に置く必要はないと、親父さんの言ってた事が実感出来たよ。
 文系なら大学だって通わなくても単位を取る形に出来そうだな。」
「工学部でも科目によってはオンライン講義に出来るのでしょ。」
「そう言う取り組みも進み始めてはいるが、まだまだ。
 高校生バトルの取り組みが拡大して行けば色々な価値観が変わって行くのだろうけど、大都市圏へ行かなくても高学歴が得られるシステムは様々な利権が絡んで難しそうだな。」
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