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バトル-25 [高校生バトル-03]

「春子、高校生音楽バトルのサンプルはどう?」
「真子ちゃんが来る度に十五分ずつぐらい練習、彼女の入試が終わったら仕上げて収録するわ。」
「学習の妨げにはなってないよな。」
「問題ないわよ、メリハリを考えて取り組んでるからね、それに、元々私達の高校は偏差値が高い訳でも無いでしょ。
 次郎兄さんだって入試の前日、麻衣さんと遊びに行ってたじゃない。」
「まあな、中学を卒業すると毎日は会えなくなると思っていたし、試験だからと言って特別な学習はしなかった、春子もだろ。」
「ええ、高校入学後の内容に取り組んでたものね。
 ねえ、サンプルエントリーとして、私達のバトル実績とかはまとめて有るけど、ホントの参加者がエントリーする時、その人達の実績は簡単に登録出来るの?」
「システム的には問題ない、ただ、公開する個人データの範囲はまだ検討中で、サンプルを見て貰って意見を聞きたいって感じなんだ。」
「システムに問題がなければ安心かな。
 ねえ、サンプルのプロフィール欄に、三郎と真子ちゃんは付き合ってます、とかも掲載するの?」
「それは、敢えて出さずに想像して貰った方が良いだろう。
 まあ、誰がどう見たってカップルだけどな。」
「そっか…、私は結婚を前提としてお付き合いさせて頂いてる彼氏がいますって出しておこうかと思うのだけど。」
「良いと思うよ、アイドル活動をする訳では無いのだから。
 三郎たちは女の子たちが憧れるカップルと言う感じで展開して行こう思ってるんだ。」
「ふふ、サンプルだから上手過ぎない方が良いと思ってたけど、二人のデュエットはなかなかのものなの、サンプルが上位に入賞しても良いかしら?」
「勿論さ、間奏とかで春子のピアノも目立っておけよ、上手なのだから。」
「素人レベルではね、えっと、YouTubeの方はチャンネルを開設し演奏動画をアップしたら、音楽バトルにエントリー申請、その時に私達三人の、高校生バトルでの実績やどう活用して来たかをプロフィール欄で閲覧出来る状態にすれば良いのよね。」
「ああ、一応申請時には視聴回数千回未満を条件にしているから、それもクリアしてくれな。
 春子たちは学校でも人気者だろ、視聴回数が直ぐに一万回を越えても不思議ではないぞ。」
「気を付けるわ、視聴回数だから一人で十回と言うことも有るのでしょ。
 座談会とかを通して知名度が上がってしまい、弟に会わせて欲しいと隣のクラスの子からも言われてね。」
「三郎は昔から可愛がられてたよな、春子もだけど。」
「ふふ、私は兄さん達のガードが堅かったから。」
「当たり前だろ、変な男を近づけさせる訳には行かなかった、一番気にしてたのは大輔だったけど。」
「ホントは彼氏彼女のいない子をシンボルにしたかったのでしょ。」
「いや、それだとアイドルと勘違いする奴が出て来そうだから避けた方が良いと思ったんだ。
 高校生バトルの主役は参加者全員だからな。
 三郎は一つの…、アイコン的存在として…、なあ三郎ってまた身長が伸びてないか?」
「そうなのよ~、私が見下ろされるぐらいになってしまいそうだわ。」
「末っ子が伸び伸びと成長して兄弟の中で一番背が高くなる、それもまた良し、だな。」
「会社での地位が一番上で…、社に関わる人達が三郎を尊重してくれたら強い組織が出来そうな気がしているのだけど。」
「ああ、俺もそう思っている、協力してくれる大学生の中にも三郎のファンがいてね、三郎のポスターとか作ったら売れるそうだ。」
「作るの?」
「サンプル的に作って売ってみる案は出てる、みんなの弟ってのが取り敢えずのキャッチだそうだ。」
「ふふ、大人になっても私達の弟なのよね。」
「ああ、アイドル活動をする訳ではないから続けないが、もしファンがファンで有り続けたらどうなると思う?」
「あっ、その人達にとってもずっと弟なんだ、そう言えばスターってお歳を召されてもファンはいるのよね。」
「三郎が今の優しさを失わないでいてくれたらと思うよ。」
「そうね、私達がお爺さんお婆さんになっても仲良くしていたいわね、私達のお爺ちゃんお婆ちゃん達みたいに。」
「うちの家訓は家族皆仲良くだからな。」
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