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バトル-20 [高校生バトル-02]

「友香さん、お疲れでしょう、片付けは良いですよ。」
「春子さん、一郎さんから聞いてた以上に素敵な家族で、私もその一員となりたいと思ったの、だから手伝わさせて。」
「兄とは話が進んでいるのですか?」
「ええ、私から告白して付き合い始めたのだけど、春子さんと大輔さんの婚約へ向けて一歩踏み出す日に誘ってくれたのだから分かるでしょ。」
「ふふ、でも次郎兄さんが起業の話しを始めたから驚きませんでした?」
「良いと思うわよ、ただ単にお金儲けを考えてるだけでなく、社会貢献を意識してのこと、一郎さんが手伝いにくい分、私が動くわ。」
「その気に?」
「中学生が会長なんて面白そうじゃない、三郎くんは教育実習で受け持った高校生より余程しっかりしてる、真子ちゃんも物怖じせず自分の考えを話してくれて頼もしいわね。」
「何となく彼女なら義妹にしても良いかなって思ったのです。
 丁度基礎バトル、中学生でも取り組めそうなのが始まり、高校受験生にも役立つ気がしまして、三郎と三人で取り組んだら楽しそうかなと。」
「そこなのよね、学習を楽しむ、教育実習を経験して個人差を実感したのよ、学習に対して真面目に向き合えてる子は知的好奇心を満たし、知識の幅が広がる事を心地よく思っているのだけど、そうでない子はね、高校受験を頑張って入学した子達なのだけど。」
「都会の高校でもそんな感じなのですね。
 ここは自宅から通える高校の選択肢が少なくて、都会に比べたら学力差が大きのだろうと思っていますが。」
「それは一郎さんから教えて貰ったわ、教育実習先と一郎さんの母校を比較、都市部と地方の格差は有るのよね、でも一郎さんは地方の普通の高校から一流大学に合格した訳で。
 環境のハンディを遺伝のアドバンテージで軽く克服出来たのでしょ、一郎さんは。」
「みたいですね、予備校には通わず高三のお正月も私達と普通に遊んでましたから。」
「私は必死だったわ、大学には何とか合格出来たって感じ、一郎さんの学部よりかなり楽なのだけどね。」
「入試と言うバトルに拘ったのはやはり学歴ですか?」
「そうね、プライドも有ったかな、将来に対する目標が明確では無かったから、取り敢えず有利な状態にして置きたいとも思ってた。
 春子さんは学歴への拘りが無いと聞いたけど。」
「大輔さんのお嫁さんになるのに必要ないのです。
 大輔さんのお父さまも全く気にされて無くて、高校卒業後は好きにしたら良いし、早く結婚して子どもが出来たら大学は休学すれば良い、私が文筆業を目指している事もご存じで、大したお金にはならないそうですが、コネで仕事を紹介して下さる話も出ていて、高校生バトルの紹介を高校生の視点で紹介する企画を考えています。」
「新聞とか雑誌に?」
「ええ、次郎兄さんが大輔さんと共に起業となったら、そこで私も活躍出来る様にって。
 今までもずっと良くして下さって、この服もお義父さまが買って下さってのですよ。
 大輔さんの兄弟は男の子ばかりだからか、ずっと娘の様に可愛がって下さってましてね。」
「春子さんが誰からも愛されるのは、会ってみて良く分かったわ。
 一郎さん、妹とは絶対仲良くなって欲しいって話してたのよ。」
「ふふ、三郎もお願いしますね。」
「勿論よ、私もあんな弟が欲しかった、妹は生意気でね。」
「三郎も、口調は兎も角、中学生の癖に生意気だと思わなかったですか?」
「全然、慣れない真子ちゃんに気遣いしてたし、大学の同期より大人、春子さんの影響なのでしょ。」
「どうかしら、兄たちに引っ張られて背伸びしてるのかも知れませんよ。」
「大丈夫、彼は無理して背伸びしてる訳では無く、同級生に物足らなさを感じているのだと思うの。
 だから、春子さんが面倒みてるのでは?」
「三郎と歩いてると女性の目線が三郎に集まるのですよ、そんな時は姉の特権で腕を組んでみたりするのですけどね。」
「あらっ、大輔さんは怒らないの?」
「反対の腕を大輔さんが取ったりしまして、さすがに最近は本人が嫌がるから出来なくなりましたが。」
「うっ、私も腕組んで歩きたいかも、真子ちゃんに見つからない様に…。」
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