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バトル-18 [高校生バトル-02]

「母さん、夕食の後片付けは俺がやる事になってしまったよ。」
「あらっ、次郎は日本史バトルで負ける筈が無いとか言って無かった?」
「一郎兄さんは兎も角、春子や三郎があそこまでやってるとは思ってなかったんだ、大学入試レベルだからね。」
「どう、春子は大学大丈夫そう?」
「うん、他の教科も頑張ってるみたいだし、地元の国立なら余裕でしょ、もっと上を目指せそうだけど。」
「春子なりに考えてる事が有るみたいね。」
「ああ、文章を書く仕事を意識してるみたいだけど、地方の活性化とかもね。」
「大輔くんとはどうなのかしら?」
「上手くやってるみたいだよ、春子なら将来社長夫人となっても問題ないだろ。」
「そうね、次郎も雇って貰ったら。」
「起業に失敗したらね、一応冗談っぽく頼んでは有るんだ。」
「起業って、真面目に考えてるの?」
「ああ、三郎の発案を春子から聞いてから具体的に考え始めたんだ、高校生バトルの一環としての立ち上げを麻衣や大輔とも相談してる。」
「彼女や親友を巻き込むの?」
「高校生バトル自体が世の中の為になる事でしょ、それを後押ししつつ…、大学卒業までに収入を安定させたいかな。」
「就職する気はないのね。」
「自分の力を試したいんだ、とは言え一人では心許ないから仲間をね、春子や三郎も助言してくれるだろう。」
「三郎にも助言して貰うの?」
「うん、春子からは少し聞いてたけど、すごく成長しててびっくりしたよ、彼女が出来て変わるパターンかな、大輔も春子と付き合う様になって随分変わったからね。」
「そうなんだ、みんなが仲良しなのは嬉しいけど、母さんは仲間外れの気分だわ。」
「じゃあ、株式会社を立ち上げたら株主にでもなる?」
「株主って、資本金はどれぐらいを考えてるの?」
「百万ぐらいかな、今の所は大輔が筆頭株主の候補だけど、あいつは実習のつもりで登記とかもやるからって言ってくれてさ。」
「春子に言われて?」
「いや、彼は将来親の後を継ぎ社長になるという前提で大学に通ってるだろ、百万と言う額も彼が口にした金額、俺はまだ分かってなくて起業したら社長は大輔に任せるかも知れない。」
「結局、大輔くんに雇って貰うんだ。」
「はは、共同経営者を目指すけどね。」
「それなら安心かしら。」
「大輔は親父さんにも話して了解して貰っていてね、企画に問題が無いと判断して貰えたら一千万ぐらいでも大丈夫だとか、春子が親父さんに気に入られていると言うのは強みなんだ。」
「大輔くんは結婚とか考えてるのかしら。」
「ちっちゃい頃から一緒に遊んでいたし、中学生の時に小六の春子に告白してから春子一筋。
 親父さんは新居の話を春子ともしてるそうだよ、この近所にね。」
「随分気が早いのね。」
「春子が大学生になったらとか、大輔は早く俺を義兄と呼びたいのだとか、まあ、父さんにも覚悟しとく様に話しといてよ。」
「大輔くんなら文句の付けようが無いでしょ、もしかして二日に来た時に御挨拶とか?」
「うん、それも有ったから兄貴にも彼女さんを誘う様に話したんだ。」
「次郎は麻衣さんとどうなの?」
「学生結婚は考えて無いよ、大学を卒業して経済的な見通しが立ったらと話してる、付き合いが長いから麻衣の親父さんも俺たちが結婚するという前提で将来の話をしてくれてるんだ。」
「婿養子の話しとか?」
「ああ、麻衣の妹達は随分前から俺の事をお義兄ちゃんと呼んでいて…、ねえ、それでも麻衣と結婚させて下さいって、神妙な顔をして言わなきゃダメなのかな。」
「ふふ、そういうイベントは想い出に残るのだからちゃんとやらなきゃ。
 儀式めいた事って結構大切なのよ、一つずつ二人の想いを確かめて行く、その過程で互いに気付いて無かった事に気付けたりもしてね。」
「母さんも父さんと?
 どんなだったの?」
「教えて上げな~い。」
「はは、春子に大輔との事を訊いた時と同じか、親子だなぁ~。」
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