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河西哲平-08 [F組三国志-07]

 冬休みの最終日、チーム哲平の仲間が集まった。
 学習に取り組んだ後、話題は昨日発表された新会社設立についてとなる。

「哲平、新会社の発表が有ったけど、工房運営会社の一部門とかでは駄目だったのかな?」
「まずは資本面を分けると聞いた、新会社は政治関係のサイト構築で利益を出せるかどうか微妙、策は有るそうだけど、赤字が出た場合、それを工房の利益でカバーという事にはしたくないそうだよ。」
「プロジェクト嶋の管理会社も、やはり別会社としてスタートさせる計画が有るのよね。」
「まずは個別にスタート、将来的には持ち株会社の下に統合して行くかも知れないけど、今は会社同士が競い合うという意味合いを持たせて、黒字化と事業拡大を目指して行くんだ。」
「プロジェクト嶋の管理会社なんて知らなかったよ。」
「プロジェクトで進めている中小企業間の協力体制作りの事務作業を担うだけでなく、社長や従業員の高齢化で存続が危ぶまれる企業に将来性を見い出せたら、その管理もして行くそうだ。
 すでに、自社をチーム赤澤に託したいという高齢の社長もいるとかでね。」
「じゃあ、今回の発表は、その一部ということか。」
「ああ、政治団体立ち上げに向けてのサイトシステム構築は一番利益が見えにくいから、敢えて早めに発表したと聞いてる、実際には利益を出す様々な案が検討されれてるのだけどね。」
「哲平は、ラグビーやりながらチーム赤澤の仕事もこなしているのだろ、大丈夫なのか?」
「はは、俺は大した事してないよ、ある程度把握し要所要所で人にお願いするというのが役割だから。
 先輩方に言わせると、俺からお願いした方が事がスムーズに動くそうだ、特に対女性の場合は。」
「はは、爽やかイケメンパワーを活かしているという事か、確かに適役だな。」
「でも今後は、静の親父さんと相談して新たなプロジェクト立ち上げを考えてるから、プロジェクトFの作業は控えめにしようと考えている。」
「そのプロジェクトに哲平がシフトして、プロジェクトFの方は大丈夫なのか?」
「プロジェクトFは俺がいなくても問題なく進む。
 チーム赤澤の拡大を考えたら俺がやらない方が良い事も少なく無いんだ。」
「あっ、組織論なのね、え~っと経験者を増やして行くという事かしら。」
「C組からの参加で手伝ってくれてる人がいるから、その人を後任にと考えてるよ。」
「哲平なら多少作業が増えても問題なくこなしそうだがな。」
「それじゃあダメでしょ、リーダーが雑事を抱え込んだら負けなのだから。」
「そういう事、お願いして任せられる人がいるのだから、そこはお任せして俺は静との時間を大切にするんだ。」
「ねえ、婚約は確定なの?」
「ああ、何の問題もない、俺は親父さんの会社について学ばせて貰う。」
「大学はどうするの?」
「親父さんは遊びに行く感覚で構わないと言って下さってるが、これから会社について学ぶ中で必要だと感じた事と向き合える大学に行くつもり。」
「静は?」
「地元の美大を目指しますが、個性を出して行くのが芸術家では有りませんか。
 人と同じ講義を受ける意味が有るのかは微妙だと思っています、参考にはなるのしょうが。
 私は主婦をしながら絵を描いて行くと言う形を考えていまして。」
「静には、画家としての無難な成功を考え小さくまとまるぐらいなら、売れない画家で構わないと話してるんだ、俺は今のままの作風が好きだからね。」
「本の表紙を飾った美咲さまの絵はホントに素敵だったわ、美咲さまの内面まで伝わって来る様で、ある意味、すでにプロなのよね、あの絵の原画は見られないの?」
「赤澤家のリビングに飾られているよ、今までの感謝の気持ちを込めて贈らせて貰ったんだ。」
「それなら、機会が有れば見せて頂けるのね。
 ねえ、静、新作には取り組んでいるの?」
「哲平さんと相談し、新プロジェクトで私の絵を使って頂く方向で考えていまして…。」
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