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纐纈榛香-06 [F組三国志-07]

「榛香は高校進学に向けて塾に通ってたの?」
「いいえ、姉も通わなかったし、必要性を感じなかった、梨乃は?」
「家庭教師を勧められたけど、会社の好ましくない状況を感じ始めてたからね。
 まあ、親に余計な心配を掛けたくなくて、真面目に学習してたら普通に合格、私には家庭教師も塾も必要無かったみたい。」
「そうね、必要な子もいるのだろうけど、ほら、塾の前にはどこどこの高校に何人受かりましたって貼って有るじゃない。
 中三の時の同級生は、その高校に入れる人をこれだけ集める事に成功しましたってだけで、必ずしもその塾に通ったから合格出来たとは思えないって話してたわ。」
「私の友達は、親に言われて通ってたけど、好きな男の子と話すことが目的で成績には関係無かったとか。
 でもさ、F組のみんなと学習して来て感じたのは、塾に通っていた人ほど、受け身の学習だったみたいな気がするの。」
「そうね、チーム哲平でも話題になったことが有ってね、省吾さまは沢山の知識を教えて貰った訳でなく自力で身に着けた訳でしょ。
 知識とは少し違う、考える環境として周りの大人達の力は借りたとしても。
 教えて下さいというスタンスと自分から知識に向かって行くのとでは大きく違う、新プロジェクトの先輩方も、自分から知識を求めようと思わせるコンテンツを作りたいと話していてね。」
「それに成功したら塾はお客さんを減らす事になるのかな。」
「そもそも何の為に学習するのかを考えたら、私達に塾はいらないのよね。
 学校が有れば充分なのだけど、学校の教師にはムラが有るし生徒との相性も、その点ネット上なら対面式授業のメリットはないけど、好きな先生の授業を閲覧出来る。
 先輩に紹介されたチャンネルの授業はトークが面白くて、高二の内容だったのだけど、自分でも調べてね、多分その範囲のテストならもうかなりの点を取れると思うわ。」
「へ~、私にも教えて…。」

 梨乃には検索ワードを教えた。
 新プロジェクトの先輩方は、私達が省吾さまと出会った事によって、より自由で中身の濃い学習が出来ていると評価し、これから構築して行くシステムを通して、学習に対しての自由を問いかけて行きたいと話してくれた。
 自分に意欲とパソコンが有れば、学校が無くても学習出来る、そんな環境を充実させて行きたいとも。
 大学を卒業し就職したとしても、そこで学ばなければならない事は少なくないそうで。
 自分から、それに向かって行ける人と、受け身の人がいるのならば、私は自分から向かって行ける大人になりたいと思っている。
 動画撮影に参加する事は私にとっての挑戦、決心して、もやもやしてた気分が吹き飛んだが、実際に撮影が始まるのは暫く先。
 それまでは話し方のトレーニングとダンス、番組のオープニングでは極僅か、エンディングには気分次第でそれなりに私のダンスシーンが入る予定、曲を指定して貰ってるから冬休みを利用して踊りの形は作っておこうと思っている。
 来年も充実した年にする為に、私なりに出来る事を精一杯やって行きたい。
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