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鈴木正信-05 [F組三国志-07]

 記者会見では、少しだけ質問を振られたが答えに窮する様な質問では無く無難に答えられた。
 終了後はプロジェクトF関係者が集まっている所へ…。

「正信、記者会見はどうだった?」
「まあ、省吾さまだからな、無難に終わったよ。
 美咲さまとの話を振られても堂々と応えていて、結婚や子作りは高校を卒業してからだそうだ。」
「記者からの反応は?」
「早過ぎないかという声が出たが、高齢出産で苦労させたくないし、早ければ両家の親が子育てを手伝ってくれると言う話を交え、家族の在り方を語ってくれたよ。」
「そっか、高校一年生であそこまで結婚や出産の事を考えてるカップルは少ないよね。」
「由香さんは考えてないの?」
「まだ無理だわ。」
「はは、藤本はお兄さま一筋だもんな。」
「仕方ないでしょ、兄貴以外では省吾さまぐらいしか思い浮かばないもの。」
「その二人と比べられてもな、藤本、適当に妥協しろよ。」
「まだ、焦ってないわ、あやかとは違うからね。」
「あっ、省吾さまと美咲さま。」

「みんな、今日は有難うね。」
「省吾さま、来て良かったで~す。」
「省吾さまも美咲さまもかっこよかった。」
「はは。」
「ぜんぜん緊張してなかったみたい。」
「まあ、美咲との打ち合わせはきちんとしておいたからね。」
「記者会見では答えにくそうな質問が出たのでしょ。」
「それも想定の範囲内、変に言葉を濁したりするより、はっきり話した方が良いと思ってたからな。」
「これでチーム赤澤は大きく動き出すのね、リーダーとして大変じゃないの?」
「トップリーダーが雑用で忙しくなる様な組織にはしないから、それ程でもないさ。」
「チームには優秀な人の参加が多いとか?」
「ああ、プロジェクトをお任せ出来る人が集まって来ているよ。」
「考え方や価値観に相違が有ったりしないのかな。」
「そう言ったことは歓迎してるんだ、一つの物事に対して違った角度から掘り下げ行く、全く違う結論に至るのかも知れないが、似た様な結論に行きつく可能性も否定出来ない。
 全く異なる主張を一つの組織内で吟味出来る環境が有る事は理想だと思ってね、見落としや勘違いを減らせると思うんだ。」
「組織内に分裂の火種を抱え込むなんてことにはならないのかな?」
「そこが重要だと考えている、他者の考えを尊重して検討出来るだけの度量を、チーム赤澤のメンバーには持って欲しいと考えてはいるが、人の心理を考えると簡単なことではないだろ。」
「それでも、省吾リーダーの下に集まった仲間なのだから、と考えてくれたら何とかなると言うことだね。」
「これから色々なことが起こると思ってる、そんな問題に対して上手く対処出来るかどうか、リーダーとしての資質が問われるのだろうな。」
「そんな時にはリーダーを支える人達の力量も試されるのでしょ?」
「そうだね。」
「リーダーを取り巻く石垣の強度はどうなんだ?」
「う~ん、美咲はどう思う?」
「勿論全然心配してないわよ、皆にはあまり話して来なかったけど、夏休みから今日まで…、そうねチームの石垣や城を強固なものにする為に私達は随分時間を使って来たのよ。」
「嶋社長や堀中先生を通して経営者や学者と話し合って来たと、記者会見で話していたわね。」
「ええ、皆さんからは省吾に対する期待感がひしひしと伝わって来たわ、創業社長の人達からは、企業の次期リーダー候補でさえ、事なかれ主義の人が少なく無いとか、省吾はそんな話にも丁寧に応えてきたの。」
「それが、今日の総会に繋がっているという事なのか…。」
「あっ、社長さん達との会には美咲さまもご一緒だったのね。」
「勿論よ、特別な用がない限り私達が何時でもどこでも一緒に動くってことを、高山さん達もOKして下さったから。」
「好きな人といつも一緒なんてうらやましいな~。」
「でもね、リーダーの妻として立ち居振る舞いに気を付けなければいけないし、大人の人たちの席は結構疲れるものなのよ。」
「はは、リーダーの妻なんて平気な顔で、まだ婚約中でしょ。」
「大学生のお姉さま方の中には、省吾のことを狙ってる人が何人かいるみたいで油断出来ないの。」
「美咲さま、そんなに大変なら代わって差し上げましょうか?」
「却下~!」
「ははは。」

 大学生のお姉さんだってお二人の間には入れないと思うのだけど、美咲さまはそんな事を楽しんでる節が有る。
 カップル成立の頃は真っ赤になってた二人が今では夫婦みたいな会話もしてるし。
 二人とも大好きだからこのまま幸せでいて欲しいものだ。
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