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鈴木正信-03 [F組三国志-07]

 チーム赤澤設立総会、午後は興味の有るプロジェクトの詳しい説明を聞く時間では有ったが、自分はF組三国志のリーダーと言うことで、マスコミ向けの会見に同席。
 自分に質問が来る可能性は低いが緊張している。
 型通りの挨拶の後、予想していた質問に対し、主に省吾リーダーが応えていたのだが…。

「まだ、お若いのにリーダーが自信たっぷりな裏には何が有るのでしょうか?」
「そうですね、自分は中学生の頃から小さな少年団での活動を通してリーダー論に興味が有ったのですが、それを学ぶ過程で武田信玄の『人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり』という言葉に触れまして、何か納得というか心に残っています。
 このチーム赤澤の結成には色々な人からの言葉が有りまして、今まで大人達が作ってきた枠組みに囚われない心で、明日の日本を考えて行けたら、と話した時に。
 それなら、その中心はしがらみだらけの大人より、高校一年生ぐらいが丁度良いとか話しながら、自分がリーダーとなるのなら、城にも石垣にも堀にもなるという様なことを言って下さる方が少なからず、そこから盛り上がりましてね。
 自分一人の力では何も出来ませんが、大勢集まったからと言って烏合の衆ではどうにもなりません。
 集まって下さったみなさんが大きな目標を見失うことなく、それぞれの分野で力を貸して下されば、この国の将来にプラスになることが実現出来ると思いまして、生意気な存在では有りますがリーダーとして恥ずかしくない行動をと考え、少し偉そうなことも話させて貰っています。」
「それでは、お父さまの赤澤教授にお伺いしたいのですが、省吾くんがこの様な組織のリーダーになるという事に関してどの様に考えておられるのでしょうか?」
「そうですね、今は年齢によるアドバンテージが使えると考えています。
 省吾と同じ事を普通の大人が話しても大して興味を持って貰えないでしょう、でも普通の高校一年生の言葉なら、高校一年生なのに、となるのでは有りませんか、このアドバンテージが使える内に組織を大きくし確固たるものに出来れば、日本の社会に影響力を与える存在になると考えています。
 省吾が語る事は、彼を取り巻く大人達が賛同している事です。
 省吾では、まだ若くて頼りないと思われる方もおられるでしょうが、チームメンバーが石垣となり城となって支えるのですから、そうですね、大臣や官僚に足を引っ張られている総理大臣よりは余程良い形になりつつ有りますよ。
 国政の手本となる組織を省吾中心に作り上げたいと、堀中瀬十郎先生始めチームメンバーは考えているのです。」
「赤澤教授や堀中教授はチームの顧問と考えれば良いのですか?」
「いえいえ、ただのメンバーです、大人が顧問では、今まで大人達が作ってきた枠組みに囚われない心で、とはならなくなってしまいます。
 我々も省吾からの問い掛けに対して考えているのですよ。」
「省吾くんからの問い掛けと言いますと?」
「例えば国会の在り方。
 私達は現在の形を当たり前のものだと思いがちですが、昔からの慣習のままに無駄な時間と無駄なお金を使い、働き方改革とか言いながら官僚に負担を強いていても、それを国会議員は何とも思わない、野党のくだらない質問の為に大きな無駄が発生していてもです。
 私なりに改善案を考えたのですが、省吾からは小手先の変更ではなく、政党政治そのものから見直す抜本的な改革をしないと意味が無いと言われましてね。」
「省吾リーダーはどの様にお考えで?」
「まずは教育です、現在の知力重視の学校教育の場では、個人と社会の関係を正しく理解することが出来ません。
 日本人は民度が高いと話す人がいますが、本当に民度が高かったら、今思い浮かぶ社会問題はとっくに解決しているでしょう。
 知識も必要ですが、それ以上に人として在り方を、宗教を通してではなく論理的に学術的に研究し、より良い社会を形成して行く、簡単に言えばネット上に誹謗中傷が溢れない社会を自然に構築して行けたら良いですね。」
「政治については?」
「政治家や官僚の民度を上げないと政治改革は不可能だと思いませんか?」
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