谷口あやか-04 [F組三国志-06]
由香のお兄さまと高三向けの説明会で少しお話し出来たのは嬉しかったのだけど、お兄さまは宮田先輩や佐々木先輩とかとも親しげで、ホントに誰にでも優しいと言うか。
私が憧れる人を巡ってはライバルが多過ぎる、麻里子に言われた通り恋愛対象のレベルを下げるべきなのかも知れないと思う今日この頃なのだ。
でも、今日こそ良い出会い、素敵な彼氏ゲットに向けての一歩を…。
「おはよ。」
「あっ、麻里子、ちょっとお洒落してない?」
「当たり前でしょ、今日のチーム赤澤設立総会にはテレビ局のカメラも入るのよ。
あやかはそんな感じで彼氏を作れるとでも思ってるの?」
「うっ、これでも私なりに…。」
「私たちは美咲さまとは違うのだから、それなりに気を使わないと。」
「でもさ、麻里子って結構もてるよね。」
「もてると言ってもさ、最近も告白されたけど、なんか頼りなくて情けない人、私はか弱いから頼れる男性に守って貰いたいのに。」
「か弱いね…、麻里子は今日出番有るの?」
「今日は大学生が裏方を全部やってくれるから特別な仕事はないけど、まあ適当に手伝うかな。」
「適当に手伝う…、う~ん、そんな事を考えるんだ麻里子は。」
「だから、あやかはお子ちゃまなのよ、テストの点が良いだけじゃだめね。」
「そう言われても…。」
「私は総会に対して主催者側の人間だと思ってる、だから会の成功を考え観察し行動する。
あやかは、一参加者として良い男はいないかと。」
「そ、それは…、否定出来ないけど…。」
「人の価値観は様々だけど、どちらが魅力的?」
「それ以前に麻里子には色々負けてるわ、今日は一人なの?」
「私だけ先に来たの、大学構内を少し見たくてね。」
「そっか、大学って高校とは建物もずいぶん違うよね、ここが第一志望?」
「地元では一番だからね、チーム赤澤の先輩も多いし、あやかも彼氏を作る事ばかりでなく、自分の進路も考えなきゃ。」
「それなりに考えてるわよ、えっと受け付けは済ませた?」
「まだこれから、一緒に行こうか。」
受付を済ませて大講堂へ。
麻里子はスタッフに声を掛け省吾さまの元へ、私は梨乃を見つけたので梨乃のお母さんと三人で席を取った。
おしゃべりに夢中になっていると、舞台袖に…。
「あっ、美咲さまよ。」
「うわ~、今日は一段と大人っぽくて、お綺麗だわ~。」
「お早う御座います、本日はお忙しい中ご来場下さいまして有難う御座います。
進行を務めさせて頂きます秋山美咲と申します、よろしくお願いします。
開始まで今しばらくお時間が有りますが、ネット等でご案内させて頂きました通り、チェロとピアノのデュエットを楽しんで頂けたらと思います。
サン・サーンス作曲、動物の謝肉祭より白鳥、および白鳥の主題による変奏曲、黒川淳一のチェロ、ピアノ舘内亜美でどうぞ。」
うわっ、亜美ったら可愛いドレス、淳一くんもなんか恰好良いなぁ~。
えっ…、えっ…。
こんな…。
クラシックってあんまし聴いたことなかったけど…。
あれっ、なんか涙が…。
うわ~、すごい拍手だ…。
省吾さまが出てきた…。
「みなさん、おはようございます。」
「よっ、リーダ~!」
「ははは。」
「まずは、二人にもう一度拍手を。
淳一、亜美、素晴らしい演奏ありがとう。」
うん、本当に良かった。
鳴り止まない拍手ってことは、会場のみなさんも感動したってことなのかな。
あっ、舞台そでの美咲さまに照明があたった。
「お時間になりましたので、チーム赤澤設立総会を始めさせて頂きます。
まずはチームリーダー赤澤省吾からご挨拶を。」
「赤澤省吾です。
本日は大勢の方々にお集まり頂きまして有難うございます。
今は、嬉しさと共に緊張感が高まっています。
まずは、ネット等で今後の予定を紹介させて頂いておりますが、その中から少し。
先ほど演奏してくれた黒川淳一、舘内亜美のCDアルバムは発売日が決定しました。
録音はレコーディングスタジオではなく黒川淳一の自宅で、音響工学の実験も兼ねて行いました。
ピアノを囲む形で、室内に仮設のスタジオを作っての収録です。
ここのピアノとは一味違う年代物のピアノ、その素敵な音色を楽しんで頂けたらと思っています。
また、録音したものはCDだけでなくレコード盤の形でも販売させて頂きます。
CDだけならCDの売り上げで制作費を簡単に回収出来ると思っていますが、あえてマニアックなレコードの制作販売に踏み切ることにしたのは、プロジェクト梶田、ご存じの方も多いと思いますが、一企業の再生を目指す我々の取組、そこから派生して誕生した工房プロジェクトの第一弾という意味合いが有ります。
薄利多売とは真逆、一つだけでもオーダーメイドで作ります、が工房プロジェクトの売り、そのサンプル的な意味あいを込めまして、個人でも趣味の範囲でCD作れます、少しお高くなりますがレコードだって作れます、という取り組みです。
さらにCD、レコードの制作販売はその過程を地元テレビ局と共同で記録していまして、テレビで紹介して頂いたり、ネット上に参考映像として残す予定となっています。
そして、このプロジェクトをきっかけに株式会社設立が確定しました。
チーム赤澤自体は営利目的ではありません。
しかし大きな目標として掲げている、今まで大人たちが作ってきた枠組みに囚われない心で、明日の日本を考えて行こう、を実践していく過程で、実験的実習的に会社を設立してみよう、また、自分達の手で就職先を作るという意味合いもこめて設立を決定しました。
今後、非営利のチーム赤澤と、しっかり社員に給料を払った上で株主配当も出せる、営利を目的とした株式会社という二つの組織が平行して動いて行くと考えて下さい。
株式会社は、我々がきちんとした企画を出すことが出来れば、現時点で資本金六億円ぐらいまでの目途が立っています。
チーム赤澤としてはまだそれだけの資金を必要としていませんが、何時でも増資出来るとお考え下さい。
多くの方々が期待して下さっている様々な企画を皆さんと共に実現させて行きたいと思っていますので宜しくお願いします。」
資本金六億円と言われてもね…。
私が憧れる人を巡ってはライバルが多過ぎる、麻里子に言われた通り恋愛対象のレベルを下げるべきなのかも知れないと思う今日この頃なのだ。
でも、今日こそ良い出会い、素敵な彼氏ゲットに向けての一歩を…。
「おはよ。」
「あっ、麻里子、ちょっとお洒落してない?」
「当たり前でしょ、今日のチーム赤澤設立総会にはテレビ局のカメラも入るのよ。
あやかはそんな感じで彼氏を作れるとでも思ってるの?」
「うっ、これでも私なりに…。」
「私たちは美咲さまとは違うのだから、それなりに気を使わないと。」
「でもさ、麻里子って結構もてるよね。」
「もてると言ってもさ、最近も告白されたけど、なんか頼りなくて情けない人、私はか弱いから頼れる男性に守って貰いたいのに。」
「か弱いね…、麻里子は今日出番有るの?」
「今日は大学生が裏方を全部やってくれるから特別な仕事はないけど、まあ適当に手伝うかな。」
「適当に手伝う…、う~ん、そんな事を考えるんだ麻里子は。」
「だから、あやかはお子ちゃまなのよ、テストの点が良いだけじゃだめね。」
「そう言われても…。」
「私は総会に対して主催者側の人間だと思ってる、だから会の成功を考え観察し行動する。
あやかは、一参加者として良い男はいないかと。」
「そ、それは…、否定出来ないけど…。」
「人の価値観は様々だけど、どちらが魅力的?」
「それ以前に麻里子には色々負けてるわ、今日は一人なの?」
「私だけ先に来たの、大学構内を少し見たくてね。」
「そっか、大学って高校とは建物もずいぶん違うよね、ここが第一志望?」
「地元では一番だからね、チーム赤澤の先輩も多いし、あやかも彼氏を作る事ばかりでなく、自分の進路も考えなきゃ。」
「それなりに考えてるわよ、えっと受け付けは済ませた?」
「まだこれから、一緒に行こうか。」
受付を済ませて大講堂へ。
麻里子はスタッフに声を掛け省吾さまの元へ、私は梨乃を見つけたので梨乃のお母さんと三人で席を取った。
おしゃべりに夢中になっていると、舞台袖に…。
「あっ、美咲さまよ。」
「うわ~、今日は一段と大人っぽくて、お綺麗だわ~。」
「お早う御座います、本日はお忙しい中ご来場下さいまして有難う御座います。
進行を務めさせて頂きます秋山美咲と申します、よろしくお願いします。
開始まで今しばらくお時間が有りますが、ネット等でご案内させて頂きました通り、チェロとピアノのデュエットを楽しんで頂けたらと思います。
サン・サーンス作曲、動物の謝肉祭より白鳥、および白鳥の主題による変奏曲、黒川淳一のチェロ、ピアノ舘内亜美でどうぞ。」
うわっ、亜美ったら可愛いドレス、淳一くんもなんか恰好良いなぁ~。
えっ…、えっ…。
こんな…。
クラシックってあんまし聴いたことなかったけど…。
あれっ、なんか涙が…。
うわ~、すごい拍手だ…。
省吾さまが出てきた…。
「みなさん、おはようございます。」
「よっ、リーダ~!」
「ははは。」
「まずは、二人にもう一度拍手を。
淳一、亜美、素晴らしい演奏ありがとう。」
うん、本当に良かった。
鳴り止まない拍手ってことは、会場のみなさんも感動したってことなのかな。
あっ、舞台そでの美咲さまに照明があたった。
「お時間になりましたので、チーム赤澤設立総会を始めさせて頂きます。
まずはチームリーダー赤澤省吾からご挨拶を。」
「赤澤省吾です。
本日は大勢の方々にお集まり頂きまして有難うございます。
今は、嬉しさと共に緊張感が高まっています。
まずは、ネット等で今後の予定を紹介させて頂いておりますが、その中から少し。
先ほど演奏してくれた黒川淳一、舘内亜美のCDアルバムは発売日が決定しました。
録音はレコーディングスタジオではなく黒川淳一の自宅で、音響工学の実験も兼ねて行いました。
ピアノを囲む形で、室内に仮設のスタジオを作っての収録です。
ここのピアノとは一味違う年代物のピアノ、その素敵な音色を楽しんで頂けたらと思っています。
また、録音したものはCDだけでなくレコード盤の形でも販売させて頂きます。
CDだけならCDの売り上げで制作費を簡単に回収出来ると思っていますが、あえてマニアックなレコードの制作販売に踏み切ることにしたのは、プロジェクト梶田、ご存じの方も多いと思いますが、一企業の再生を目指す我々の取組、そこから派生して誕生した工房プロジェクトの第一弾という意味合いが有ります。
薄利多売とは真逆、一つだけでもオーダーメイドで作ります、が工房プロジェクトの売り、そのサンプル的な意味あいを込めまして、個人でも趣味の範囲でCD作れます、少しお高くなりますがレコードだって作れます、という取り組みです。
さらにCD、レコードの制作販売はその過程を地元テレビ局と共同で記録していまして、テレビで紹介して頂いたり、ネット上に参考映像として残す予定となっています。
そして、このプロジェクトをきっかけに株式会社設立が確定しました。
チーム赤澤自体は営利目的ではありません。
しかし大きな目標として掲げている、今まで大人たちが作ってきた枠組みに囚われない心で、明日の日本を考えて行こう、を実践していく過程で、実験的実習的に会社を設立してみよう、また、自分達の手で就職先を作るという意味合いもこめて設立を決定しました。
今後、非営利のチーム赤澤と、しっかり社員に給料を払った上で株主配当も出せる、営利を目的とした株式会社という二つの組織が平行して動いて行くと考えて下さい。
株式会社は、我々がきちんとした企画を出すことが出来れば、現時点で資本金六億円ぐらいまでの目途が立っています。
チーム赤澤としてはまだそれだけの資金を必要としていませんが、何時でも増資出来るとお考え下さい。
多くの方々が期待して下さっている様々な企画を皆さんと共に実現させて行きたいと思っていますので宜しくお願いします。」
資本金六億円と言われてもね…。
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