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谷口あやか-03 [F組三国志-06]

 チーム赤澤設立総会の発表が有り…。

「ねえ、梨乃、チーム赤澤設立総会ではプロジェクト梶田の報告も有るみたいだけど進んでるの?」
「うん、夏休み中に色々動いて方向性が見えて来てね、高山チーフは総会までに第一段階を終わらせると話してたわ。」
「もう、余裕?」
「そうね、嶋くんのお父さまのお蔭で新たな仕事の受注に成功したのだけど、課題は残っていて、でも社員さん達と話し合って改善中なの、社の改革に協力的でなかった人が辞表を提出してくれたから雰囲気は悪くなくてね。」
「クビにしたのではなく?」
「ええ、夏休みに工場の大掃除をしたのだけど、それをやりたくなかったとか。
 元々仕事熱心ではなかった割に威張ってた人がいなくなりすっきりしたみたいでね、他の社員さんは会社の現状を説明され納得の上で動いてくれてるのよ。」
「え~っと、不用品の売却と工場内の環境整備だっけ。」
「工場は、笑っちゃうほどすっきりしたわ。
 片付いて来ると社員さん達も楽しくなったとかでね、今回不用品を売って得たお金は社員へのささやかなボーナスになったのだけど、今後はリサイクルを徹底してそこで得られたお金を使い工場を綺麗にして行こうって。」
「そうなんだ。」
「トイレが大きなポイントだったみたい。」
「トイレ?」
「省吾さまや高山チーフが言うには、トイレの汚い会社は伸びないのだとか、従業員の士気が上がらないそうなの。
 実際古かった工場のトイレを綺麗にしたのが社員さんに好評でね。」
「予算は?」
「我が家の贅沢品を売って作ったお金、ピアノとか最近はあまり弾いてなかったし。」
「それなら社員の方々も素直に喜んでくれそうね。」
「思っていた以上に効果があったみたい、そこに新規の仕事が入り工場の活気が全然違うと社長が話してたわ。」
「ふふ、お父さんでしょ、社長って。」
「プロジェクト梶田の一員として学んだり手伝ったりしてる時は社長と呼んでるの。」
「手伝ったんだ。」
「夏休み中は掃除したり、事務作業を教えて貰いながら手伝ったりしてね、嶋くんが社員さん達に可愛がられていると話してたけど、今の私もね。」
「社長の娘が手伝うという意味は大きいのかな?」
「そう思う、だから学校が始まってからも、授業後に顔を出して片付けとか手伝っているのよ。」
「学生や社長令嬢が手伝い工場が綺麗になったのだから、社員の会社に対する気持ちが変わって当然か、ねえ、嶋くんは夏休み中、どうだったの?」
「やっぱ恰好良いのよね~、工場内のレイアウトとかをプロジェクトメンバーと考えてくれたり、彼のところの社員と交流の場をセッティングしてくれたり、工房関連でも理沙と一緒に色々な提案をしているみたい。」
「あ~、理沙が羨ましい。」
「うん、羨ましい、でもね、あやかや私では力不足と言うか…、嶋くんにとって、理沙が良かったのだろうなって思うの、嶋社長も二人に対して嬉しそうに教えて見えるのよ。」
「でもさ、まだ高一じゃない、この先心変わりとかしないのかな?」
「それは分からないけど、F組のカップル達は互いを尊重し合ってるでしょ、省吾さまや哲平さんも。」
「そう言われると…。」
「哲平さんは静のご両親に気に入られたみたいで、次男だから婿養子となって社長を継ぐという流れになりつつ有るみたいなのよ。」
「えっ、そんな話、どこから?」
「静のお父さまもチーム赤澤に興味を持たれて、うちの空き倉庫を利用した工房プロジェクトに出資を考えておられてね、形の上では哲平さんに百万円を贈与、哲平さんはそのお金でプロジェクトが設立する株式会社の株主にという話になっていて、例え静と別れたとしても、自分の会社に就職する様にと、大学なんてどこでも良いからラグビーに打ち込めともね。」
「哲平さんなら息子にしたくなって当然か。」
「私たちも、もう少し女を磨かないと駄目よね。」
「うん、梨乃、一緒に頑張ろう、でも由香のお兄さまは好きにならないでね。」
「え~、学習会の時に数学を教えて頂いたのだけど、恰好良くて優しくて素敵な方で…。」
「はぁ~、梨乃もか…。」
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