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谷口あやか-02 [F組三国志-06]

 九月になって色々な動きが有る。

「美咲さま、F組三国志は新たな展開に突入するのですね。」
「あやか、そんな硬い話し方はやめてよ。」
「いえいえ、美咲さまはチーム赤澤の象徴です、それで、他クラスからの参加者はどれぐらいになるのですか?」
「まずは十三名、第一段階として各チームに振り分けた後、様子を見ながら増員しチームを分裂させたり再編したり、参加希望者は部活繋がりとかで結構いるのよ。」
「短い間だったけど、F組三国志が終わってしまうのは少し寂しいです。」
「そうね、でも、発展的に区切りをつけるのだから悪くないと思うわ、先生方も私達の取り組みに協力して下さいますからね。」
「今後の名称は?」
「どうなるのかしら、信長の野望なんて案が出てたけど。」
「戦国時代ですか。」
「平和なゲームだけどね、クラスを越えてチームを増やし競い合って行くけど、本当のライバルは他の進学校。
 でも、単に偏差値を上げると言うのではなく、人としての成長を目標に掲げているでしょ。」
「それを教師ではなく、一生徒で有る省吾さま中心に進めて行くのですね。」
「う~ん、中心は省吾かも知れない、でも、みんなの力が無かったら先へは進めないわ。」
「分かってますよ、漠然と大学へ行って就職してと考えていましたが、夏休みには社会的弱者と接し、施設の方からも色々教えて頂きました。
 何をするにもお金が必要ですが、大学生の先輩方は色々考えておられます。
 私もその一員として自分の力を発揮して行くことを考えています。」
「なんだ、あやかも真面目に考えてるのね、彼氏を作る事ばかりかと思ってた。」
「美咲さま~、それは確かに最重要課題ですが、それだけではないのですよ~。」
「ふふ、夏休みは沢山の出会いが有ったのでしょ?」
「有りましたが、素敵な殿方にはすでにそれなりの方がお見えになられまして…。」
「だから、大学合格まで恋愛を封印してらっしゃる、由香のお兄さまなのね。」
「ライバルが多いのは分かっていますが、三年生向けの説明会には私も参加させて下さい。」
「そうね、理数系の人達中心で、由香のお兄さま以外にも素敵な方が参加されるみたい、真面目にチーム赤澤の紹介をしてくれるのなら問題ないわよ。」
「お願いします。」
「文化祭の方は大丈夫?」
「勿論です、自分の役目は多く無いですから、最低限の労力で最大限の効果を生み出す、留美は苦労したみたいですが、それでもやりがいの有る作業だと話していました。」
「無理なくが私たちのモットーだけど、頑張った経験もいつか青春の想い出になる、F組のみんなが頑張る時は楽しんでいるのよね。」
「みんな美咲さまに影響されてますから。」
「私に?」
「ずっと頑張って来られて…、まあ、省吾さまとご一緒で羨ましくてしょうが有りませんが、F組のリーダーで有り、女神で有りお母さん。」
「なによ、それ…。」
「みんな大好きってことです、美咲さまのことが、それで従弟に写真を送って自慢したいのですが。」
「そうね…、省吾とのツーショットにしてくれる。」
「省吾さまは虫よけですか?」
「それも有るけど、チーム赤澤設立総会にはテレビ局の取材も入るみたいなの、ネットでも配信する予定だから、その宣伝もしてね。」
「十月の終わりで確定したのですか?」
「明日、チーム赤澤のサイトで正式発表よ。」
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