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藤本由香-04 [F組三国志-06]

 チーム赤澤の説明会はメンバーの父兄が主な対象だが、高校生や大学生にとっては自分の関わってない活動の進展を知る機会でも有り楽しみにしていた。
 両親や兄弟と共に参加するという話を多く聞いてるからそれも興味深い。
 我が家も高三の兄を含め家族揃っての参加。

「由香、ご挨拶しておくべき人は早めに紹介しろよ。」
「お父さん、そう言われてもね、省吾さまとかは…、あっ、もう来てる。
 う~ん、今がチャンスかも、お兄ちゃんも来て。」

 省吾さま達はご家族の皆さんと共に説明会参加者と談笑中、そこに加わり家族を紹介させて貰った。
 長くは話せなかったものの、父は省吾さまが自分の仕事に興味を持ってくれたと嬉しそう。
 母や兄とも、趣味の話とか…。

「由香、省吾さまに俺の事を話したのか?」
「話したのではなく、家族紹介の文をチーム赤澤に出しただけよ、お兄ちゃん、省吾さまと話してどうだった?」
「プログラミングについて最新の話題を振られて…、彼の専門はプログラミングなのか?」
「専門ね…、色んな事に興味が有ると話してたけど、ご本人が言うには広く浅くだそうで、でも全然浅くないみたいよ。」
「そうか、大学入試に向けて今年合格した先輩からの助言を得られる様にしてくれるそうで、お願いしてしまったよ。」
「お兄ちゃんの事は同じ高校の先輩だとか、私なりに気合を入れて紹介文を書いたのが正解だったのかしら。」
「はは、有難うな、話題の天才と会話出来たし、今日来て良かったよ。」
「説明会はこれからだからね、でも、自慢のお兄ちゃんを省吾さまに紹介出来て私も嬉しいわ。
 あっ、あやか。」
「由香さんと同じクラスの谷口あやかと申します、こっちは家族で…。」

 あやかの家族と紹介し合った後は、クラスメイトの家族とも。
 早めに会場に来たのだけど、開始までの時間は友人を家族に紹介したり、紹介されたりであっという間に過ぎた。

「お兄ちゃん、今日の進行は美咲さまなのよ。」
「美人だよな、入学早々三年生の間でも話題になってたけど、直ぐに省吾さまと付き合い始め、どれだけ多くの男子生徒をがっかりさせたことか。」
「お兄ちゃんも?」
「はは、あんな美人と付き合えるとは思ってないよ。」
「あやかとかはどう?」
「由香の友達は可愛い子が多いよな、後輩ということは頭だって悪くないだろうし。」
「付き合いたかったら紹介しようか?」
「いや、今はいい、どうしても第一志望の大学に余裕を持って合格したいからね、大学で全然彼女が出来なかったら由香に頼もうかな。」
「そうね、でも、お兄ちゃんは優しいから変な女に引っ掛からないか心配だわ。」
「変な女?」
「そのまま上手く行ったら、年齢関係なく私の義姉になる訳でしょ、気を付けてよね。」
「あ、ああ。」

 そんな話をしていたら美咲さまが舞台に。
 彼女の進行でチーム赤澤の理念や活動内容が紹介されて行く。
 スタートして間もないとは言え、参加者は増えプロジェクトも増え始めている。
 私たちが参加しているボランティア活動も、プロジェクトの一つとして組織化が進行中、という様に教育、経済、社会問題などテーマは多い。
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