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藤本由香-03 [F組三国志-06]

 F組の生徒は塾や予備校の夏期講習を受講していない人が多い。
 まだ高校一年生だという事も有るが、F組三国志が始まってから受け身の学習に疑問を持つ人が増え、その必要性の低さに皆が気付いてのこと。
 その代わり、プロジェクトF主催の学習会に参加。
 クラスの仲間と会えるし、学習会の後は皆で遊びに行ったりして楽しんでいる。
 学習会と言っても、その内容は学習に関してだけではなく…。

「ねえ、あやかは大学入試までの流れ、作れそう?」
「うん、計画的に効率良く、入試をゴールとした大まかなスケジュールは組めそうよ。
 でも今は、自分の力を将来どんな分野で活かして行くかを考えたいと思って…、由香はどう?」
「考え始めるときりが無いのよね、焦る必要はないと言われたけど、ほら人のポジションの話とか聞かされてさ。」
「うん、あの話は考えさせられたね、自分は将来どんな立場の人を目指すのか、組織の問題とかも…。
 由香なら、リーダー的立場でもやって行けると思うけど、私はそういうタイプじゃないし。」
「私だってリーダーは無理だと思うわ。」
「そうかな、今日の学習会でも頼もしかった。
 トップリーダーでなくても、グループリーダーだって必要でしょ。」
「うん、リーダーをサポートするという考え方も有るのよね、サポート役になるのなら尊敬出来る人のサポートをしたいかな。」
「省吾さまとか?」
「それはそうだけど、省吾さまを中心とした組織のどこに自分を置くのかは、まだイメージが難しいでしょ、どれだけの組織になるのかが未知数で。」
「そうね、今は組織の末端で教えて貰いながら考えていると言うレベル…。」
「ずっと、このポジションに甘んじてはいられない、自分に何が出来るのか、その為には何が必要なのか、でも、それを考えて行くには情報不足なのよ。」
「保護者向けの説明会でどんな話が出て来るのか分からないものね。」
「問題は自分でも理解出来る範囲なのかどうか、大人の参加が多そうでしょ、難しい話ばかりになったら…、夏休みの課題が増えかねないわ。」
「由香は、全部理解したいの?」
「うん、あやかは?」
「私は、マイペースで少しずつ、由香ほど欲張りじゃなくてね。」
「う~ん、それが正解なのかな…、でも私達を大人扱いしてくれる大学生と論理的な討論をしたくてさ。」
「そっか…、うふ、もしかして憧れてる誰かさんが大学生の中にいるのかしら?」
「まさか、あやかと一緒にしないでよ。」
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