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原崎理沙-03 [F組三国志-05]

 ふわ~、今日は球技大会か…。
 夕べは、大地さんのこと考えてたらよく眠れなかった。
 期末考査が終わってから気が抜けてるってことも有るけど。
 まあ、ドッジボールで当てられないように頑張るか。

「理沙、男子バスケの応援、行くのでしょ?」
「も、もちろん。」
「一回戦目、もうすぐよ。」
「ねえ、玲菜は誰の応援?」
「誰って、みんなの…、あっ、理沙は特別な誰かさんの応援なのね。」
「えっ、えっと…。」
「ふふ、嶋くんでしょ?」
「えっ?」
「省吾さまには美咲さま、哲平さんは静さん、後の人は理沙にとって問題外だろうから、残るは嶋くんしかいないわね。」
「断言するか~。」
「違うの?」
「へへ、ばれちゃしょうがない。」
「でも、競争率高いわよ。」
「う~ん。」
「うちのクラス、カップルの成立が続いてるから、みんな刺激されちゃってさ。」
「そうよね…、そういう玲菜はどうなの?」
「私は中学から付き合ってる先輩がいるから。」
「あっ、そうなんだ、いいな~。」
「ふふ、嶋くんなら、理沙とお似合いじゃない。」
「そ、そうかな、でも、告ってだめだったらって思うとね…。」
「のんびりしてたらだめよ。」
「うん…。」

 試合が始まった。
 スポーツしてる男の子ってかっこいい。
 大地さん、動きが良いな。

「F組がんばれ~!」
「哲平さ~ん!」
「嶋! いけ~!」

 大地さんボールをとった。
 省吾さまにパス。
 シュート。
 はいった~!

「ナイッシュ!」
「大地さん、ナイスパス!」

 あっ、こっち見てくれた。
 へへ、大地さんって呼んでるの私だけかも。
 あっ、今度は大地さんから哲平さんへパスが通って…。
 シュートも決まった!

 大地さんボールについてくの早い。
 またボールをとった。
 右に省吾さま、左に哲平さん。
 あっ、二人同時に切り込んで、大地さんからのパスは省吾さまが受け取って…。
 す、すごい、あっと言う間に省吾さまから哲平さんに渡って、シュートが決まった。
 すごいチームワークだ。

「ナイッシュ、哲平!」
「いいぞ~!」
「大地さん、すてき~!」
「省吾さま~!」

 なんか圧勝って感じだ、球技大会特別ルールだからもうすぐ半分終わるけど、二十二対四。
 ふふ、応援でも圧勝ね、F組の。
 えっと、休憩は…、スポーツタオルとドリンク持ってきたけど…。
 ええい、行くしかない。
 ちょっと恥ずかしいけど…。
 時間だ。

「お疲れ~。」
「おう。」
「圧勝だよな。」
「油断は禁物だぞ。」
「今日はシュートが冴えてるね、哲平。」
「嶋のパスがよく通ってるから。」
「はいタオル、省吾、お茶少し飲む?」
「サンキュー。」
「哲平さん、どうぞ。」
「有難う、静。」
「大地さん、タオル、スポーツドリンクで良かったかしら。」
「うん。」
「あれっ、何時の間に、理沙?」
「へへ、どさくさに紛れてしまいました、美咲さま。」
「り、理沙の声大き過ぎ、大地さんなんて他に誰も呼ばないだろ。」
「やっぱ、迷惑だったかしら…?」
「そんなことはない。」
「嶋くん、活躍の影に原崎理沙有りってこと?」
「美咲さま…。」

「さ、後半も気合入れて行くぞ。
 ただし、後の試合も考えに入れて、体力温存で行こう。
 ファイブゴール差になるまでは軽く流し、露木と森は次の試合に備えてパスのタイミングとかの確認をしていても良いよ。」
「はは、試合中に練習出来るとは思わなかったな。」
「嶋は一番動いてるから、ちょっと控えめにな。」
「おう、了解。」
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