SSブログ

嶋大地-04 [F組三国志-05]

 話は盛り上がったが、時間通りに今日の予定は終了。
 その後梶田社長から…。

「今日は色々有難う、早速明日から工場内の整理に取り組ませて頂きます。
 この後、みなさんは?」
「リーダーたちはお買い物、黒川くんと舘内さんは黒川くんの家で食事だったよね。」
「はい。」
「嶋くんは?」
「特に予定は有りませんが。」
「良かったら、うちで晩御飯どうかな?
 高山チーフも如何です。」
「自分達はそれぞれ予定が有りまして。」
「嶋くん、理沙、遊びに来てよ。」
「梨乃、良いの?」
「うん、帰りは父さんが送ってあげるのでしょ?」
「もちろんだ。」
「なら安心だね。
 嶋くんは、プロジェクト梶田の顧問として、これからも、省吾リーダーと同じように意見を出して欲しいから、今日はゆっくりして行きなよ。」
「えっ、高山チーフ、さっき話してた顧問ってこと、決定ですか?」
「もちろんだよ、俺達にはない視点を持ってるから今後も色々教えて欲しいんだ。
 考えても見てよ、大学の教授が工場の実情に詳しいと思うか?」
「う~ん…。」
「はは、ちゃんと家まで送って、家の方にも今日のお礼やプロジェクトに参加して頂くにあたってのご挨拶をさせて欲しい、お願い出来ないかな。」
「社長…、分かりました、家に連絡しておきます。」
「有難うな。」

 何かとんでもないことになってしまった気がする…。
 親父の考え方、うちの工場のことを伝えて行けば良いのかな。
 師匠と同じ様には出来ないけど…。
 まあ、自分にとっても勉強になることだとは思う。
 おっと、電話しとかなきゃ。

 梶田社長のお宅へお邪魔するのは原崎さんと二人、社長の車で移動。

「いらっしゃい、今日はゆっくりして行って下さいね。」
「はい、おじゃまします。」
「嶋くん、理沙、私の部屋に案内するわ、母さん、食事の時間まで良いでしょ?」
「ええ。」

「梨乃んち広いのね。
 わっ、素敵なお部屋、センス良いなぁ~。」
「はは、でも、もう他人の家になりそうでね、父さんは先祖からの土地や建物だから簡単には諦めたくないって言ってるけど、会社の危機を乗り越えられなかったら…。」
「そうなんだ…。」
「大丈夫だよ、まだ間に合う、俺も親父達と相談して協力するから。」
「嶋くん、有難う。」
「省吾さまも…、ねえ、みんなの感想とか一通り聞き終わってからの話し凄くなかった?」
「敷地内で有効利用されてない倉庫の活用、余剰人員を使ってリスクの少ない事業展開、学生を巻き込んでのアイデアコンテスト…、聞いてて圧倒させられたな。」
「そのほとんどが、今、無駄になってる部分の活用だから、例え上手く行かなかったとしても、マイナスにはなりにくいって、色々考えてるのよね。」
「うん、さすが師匠だよな、勉強が出来ても仕事の上では使えない人がいくらでもいるって、うちの親父が話してたけど、彼が大学生に指示を出したり社長に話したりしてるとこ見てると、レベルが違うと感じたよ。」
「そうよね、でも嶋くんの話しもすごく参考になったわ。
 私もこれから工場内の掃除とか手伝おうって思うの。
 それと、プロジェクトの顧問になってくれて有難うね。」
「はは、何か簡単に、されてしまったって感じだけど。」
「梨乃、私もチーム赤澤に登録させて貰ってるから、手伝えることが有れば気軽に声を掛けてね。」
「うん、有難う。」

 女の子二人と女の子の部屋で会話してるぞ、俺。
 お~、何か幸せな気分。
 原崎理沙はやっぱ可愛いし。
 これを切っ掛けに…。
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。