舘内亜美-03 [F組三国志-04]
へ~、ここが淳一さんの家か、大きくて立派だな~。
「みなさんようこそ、さ、どうぞ。」
「おじゃまします。」
「いらっしゃい、ゆっくりしていって下さいね。」
「今日は俺と母さんだけだから気を使わなくて良いから。
母さん、こちらが省吾さま、チーム赤澤のリーダー、隣が美咲さま、クラスの委員長をしてくれている。」
「うわさは聞いてますよ、後ろの方は大学生なのね。」
「はい、自分は髙尾和彦です、よろしくお願いします。」
「私は、早川玲名です、今日はこの後も予定が有りまして、運転手役ということでお邪魔させて頂きました、よろしくお願いします。」
「お二人とも国立大学の?」
「ええ、省吾リーダーとは我大学の赤澤教授を通して知り合いました。」
「お父さまなのね。
こちらの可愛らしいお嬢さんがピアノを弾いて下さるのかしら。」
「舘内亜美と申します、よろしくお願いします。」
「ピアノは長いの?」
「はい、四歳の頃から続けています。」
「母さん、そんな事より…、さ、みんなこっちへ来て。」
「ピアノが置いてあって素敵に広いリビングですね。」
「省吾さん、うちは家族みんなで演奏することも有りましてね、最近は回数が減ってしまいましたが。
ふふ、舘内さんはピアノが気になるのね、弾いてみる?」
「宜しいのですか?」
「勿論、皆さんはお茶でも如何。」
このピアノはヤマハでもカワイでもないのね。
まずは子どもの情景でも聴いて頂こうかな。
それにしても、家のリビングにグランドピアノが有るなんて超羨ましい。
では…。
あっ、音の響きが全然違う、このピアノ凄く良い。
こんな良いピアノ弾くの初めてだ。
あっ、淳一さんが立ち上がった。
チェロを用意して、もう、いつでも演奏出来るって感じで私の演奏を聴いてくれてる。
チューニングも私たちが来る前に済ませておいてくれたのね。
じゃあ、シューマンは自然な感じで終わらせて、うふ、淳一さんと目が合った…。
演奏の姿勢に変わったから、準備おっけいってことかな。
さて、淳一さんの白鳥、聴かせて頂きましょうか。
行くわよ。
あっ、優しくて綺麗な響き…、コンクール優勝ってほんとだったんだ…。
白鳥ってこんなにも…。
こんなにも…。
えっ、えっ、私、涙で、楽譜が見えない…。
でも弾ける、弾く、ずっと淳一さんのチェロを聴いていたい、一緒に演奏していたい…。
あ~、終わっちゃう、いやだ~。
ええ~い。
即興変奏曲、始めちゃったけど…。
よかった、淳一さん応えてくれてる。
私、すごく幸せ。
ふ~、でもそろそろ終わりかな。
うん、淳一さんもそんな感じだ。
私の生涯で最高の出来だった気がする…、えっと涙を拭いて、演奏中に涙が出て来るなんて初めて。
あっ、拍手か…。
美咲さま涙を浮かべて、そりゃ淳一さんのチェロすごかったもんな。
あれっ、私、なんかくらくらする…。
淳一さんが…、も~、素敵、大好き、え~い。
「おお~すごい演奏だったけど、亜美ったら大胆だ~。」
「お母さまもびっくりしたんじゃ…、あ、お母さまも涙目だ。」
「す、凄かったわ、淳一が最近変わって来たとは思ってたけど、こんな可愛らしく素敵なお嬢さんとお付き合いしてたとは…。」
「母さん…。」
「ピアノ素晴らしかったわ、ううん、淳一の演奏も今までで最高だった。」
「自分も凄いと思います、二人のバランスがめちゃ良いし、まさかこんなハイレベルな演奏を聴けるとは思ってなかったです。
淳一、途中から変奏曲に変わったけど、何時の間に練習したの?
今日が初めてって言ってなかった?」
「省吾、即興だったんだ、亜美は本物だよ。」
「亜美さん大丈夫?」
「ちょっと疲れたみたい、俺もずいぶん集中してたから…。」
「亜美さん、すごく幸せそうな顔してる。」
「酸欠か過呼吸か…、でも静かにしてれば大丈夫じゃないかな、顔色もそんなに悪くないし。」
「おい、淳一もぼんやりしてないか?」
「あっ、ああ、亜美のピアノがこんなレベルだなんて思ってもいなかった…。」
「二人がお互いの才能を引き出したってことかな。」
「うん、今まで、チェロを弾いてきてこんな感覚は初めてなんだ…。
母さんうちわってなかったっけ。」
「あっ、そうね…、あったあった、はい。」
「ありがとう。」
「やさし~、あおいであげて。」
「美咲さま、亜美、少し汗かいてるみたいだから。」
あれっ? なんか気持ちいい風が…。
淳一さんの顔が近くに見える…。
チェロは…、え~っと…。
「亜美、気分はどう?」
「うん、淳一さん、最高に幸せ。」
「そりゃ、そうだろうな。」
「えっ? あっ、あれっ? 私、私ったらっ…。」
「いきなり淳一に抱きつくからびっくりしたぞ。」
「えっ、私、あ~ん、淳一さんのお母さまもみえるのに、ど、どうしよう。」
「このままで良いよ、母さんも亜美のピアノが気に入ったってさ。」
「えっ、ほんと、チェロの音色がすごく優しくて、も~、好きよって言ったら愛してるって応えてくれて。」
「だったね。」
「あ~、でもでも私ったら、起きなきゃ。
あれっ、淳一さん…。」
「しばらくこのままで良いよ。」
「でもでも、みんな見てるし。」
「関係ない、暑くないか?」
「うん…、もう少しこうしてて良いの?」
「ああ、誰も文句言わないからさ。」
「はは、これじゃあ文句なんて言えないよな。」
「みなさんようこそ、さ、どうぞ。」
「おじゃまします。」
「いらっしゃい、ゆっくりしていって下さいね。」
「今日は俺と母さんだけだから気を使わなくて良いから。
母さん、こちらが省吾さま、チーム赤澤のリーダー、隣が美咲さま、クラスの委員長をしてくれている。」
「うわさは聞いてますよ、後ろの方は大学生なのね。」
「はい、自分は髙尾和彦です、よろしくお願いします。」
「私は、早川玲名です、今日はこの後も予定が有りまして、運転手役ということでお邪魔させて頂きました、よろしくお願いします。」
「お二人とも国立大学の?」
「ええ、省吾リーダーとは我大学の赤澤教授を通して知り合いました。」
「お父さまなのね。
こちらの可愛らしいお嬢さんがピアノを弾いて下さるのかしら。」
「舘内亜美と申します、よろしくお願いします。」
「ピアノは長いの?」
「はい、四歳の頃から続けています。」
「母さん、そんな事より…、さ、みんなこっちへ来て。」
「ピアノが置いてあって素敵に広いリビングですね。」
「省吾さん、うちは家族みんなで演奏することも有りましてね、最近は回数が減ってしまいましたが。
ふふ、舘内さんはピアノが気になるのね、弾いてみる?」
「宜しいのですか?」
「勿論、皆さんはお茶でも如何。」
このピアノはヤマハでもカワイでもないのね。
まずは子どもの情景でも聴いて頂こうかな。
それにしても、家のリビングにグランドピアノが有るなんて超羨ましい。
では…。
あっ、音の響きが全然違う、このピアノ凄く良い。
こんな良いピアノ弾くの初めてだ。
あっ、淳一さんが立ち上がった。
チェロを用意して、もう、いつでも演奏出来るって感じで私の演奏を聴いてくれてる。
チューニングも私たちが来る前に済ませておいてくれたのね。
じゃあ、シューマンは自然な感じで終わらせて、うふ、淳一さんと目が合った…。
演奏の姿勢に変わったから、準備おっけいってことかな。
さて、淳一さんの白鳥、聴かせて頂きましょうか。
行くわよ。
あっ、優しくて綺麗な響き…、コンクール優勝ってほんとだったんだ…。
白鳥ってこんなにも…。
こんなにも…。
えっ、えっ、私、涙で、楽譜が見えない…。
でも弾ける、弾く、ずっと淳一さんのチェロを聴いていたい、一緒に演奏していたい…。
あ~、終わっちゃう、いやだ~。
ええ~い。
即興変奏曲、始めちゃったけど…。
よかった、淳一さん応えてくれてる。
私、すごく幸せ。
ふ~、でもそろそろ終わりかな。
うん、淳一さんもそんな感じだ。
私の生涯で最高の出来だった気がする…、えっと涙を拭いて、演奏中に涙が出て来るなんて初めて。
あっ、拍手か…。
美咲さま涙を浮かべて、そりゃ淳一さんのチェロすごかったもんな。
あれっ、私、なんかくらくらする…。
淳一さんが…、も~、素敵、大好き、え~い。
「おお~すごい演奏だったけど、亜美ったら大胆だ~。」
「お母さまもびっくりしたんじゃ…、あ、お母さまも涙目だ。」
「す、凄かったわ、淳一が最近変わって来たとは思ってたけど、こんな可愛らしく素敵なお嬢さんとお付き合いしてたとは…。」
「母さん…。」
「ピアノ素晴らしかったわ、ううん、淳一の演奏も今までで最高だった。」
「自分も凄いと思います、二人のバランスがめちゃ良いし、まさかこんなハイレベルな演奏を聴けるとは思ってなかったです。
淳一、途中から変奏曲に変わったけど、何時の間に練習したの?
今日が初めてって言ってなかった?」
「省吾、即興だったんだ、亜美は本物だよ。」
「亜美さん大丈夫?」
「ちょっと疲れたみたい、俺もずいぶん集中してたから…。」
「亜美さん、すごく幸せそうな顔してる。」
「酸欠か過呼吸か…、でも静かにしてれば大丈夫じゃないかな、顔色もそんなに悪くないし。」
「おい、淳一もぼんやりしてないか?」
「あっ、ああ、亜美のピアノがこんなレベルだなんて思ってもいなかった…。」
「二人がお互いの才能を引き出したってことかな。」
「うん、今まで、チェロを弾いてきてこんな感覚は初めてなんだ…。
母さんうちわってなかったっけ。」
「あっ、そうね…、あったあった、はい。」
「ありがとう。」
「やさし~、あおいであげて。」
「美咲さま、亜美、少し汗かいてるみたいだから。」
あれっ? なんか気持ちいい風が…。
淳一さんの顔が近くに見える…。
チェロは…、え~っと…。
「亜美、気分はどう?」
「うん、淳一さん、最高に幸せ。」
「そりゃ、そうだろうな。」
「えっ? あっ、あれっ? 私、私ったらっ…。」
「いきなり淳一に抱きつくからびっくりしたぞ。」
「えっ、私、あ~ん、淳一さんのお母さまもみえるのに、ど、どうしよう。」
「このままで良いよ、母さんも亜美のピアノが気に入ったってさ。」
「えっ、ほんと、チェロの音色がすごく優しくて、も~、好きよって言ったら愛してるって応えてくれて。」
「だったね。」
「あ~、でもでも私ったら、起きなきゃ。
あれっ、淳一さん…。」
「しばらくこのままで良いよ。」
「でもでも、みんな見てるし。」
「関係ない、暑くないか?」
「うん…、もう少しこうしてて良いの?」
「ああ、誰も文句言わないからさ。」
「はは、これじゃあ文句なんて言えないよな。」
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