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清水ちさと-03 [F組三国志-03]

 さ、授業も終わったし、今日は…、あらっ?

「小山先生、どうかされました?」
「ああ、確か清水さんだったね。」
「はい。」
「今日の授業は大失敗だったからみんなに謝らなきゃ、と思って。」
「そうなんですか…、え~っと、じゃあ。
 お~い、みんな~、小山先生よ~!」
「声、でかいね。」
「ふふ、演劇部で鍛えてますから。」

「F組のみんな、今日は緊張しすぎてごめんな。」
「はは、仕方ないですよ、鶴翼の陣はかなり攻撃的な陣形ですからね。」
「公民の先生もびびってましたよ~。」
「実は昨日、教育実習の先生にはかなり酷かも、なんて話しをしてたのです。」
「あっ、黒川くんそれで…、有難うな。」
「へへ。」
「C組の授業は普通にやれたので油断もしてた、でも、この席の配置…、そうか、鶴翼の陣なんだ。」
「どうでした? 鶴翼の陣。」
「C組とは雰囲気がずいぶん違っていて…、正直言ってプレッシャーが強過ぎだったよ。」
「でも、俺らのやる気の現れだから先生も許可してくれたのです。」
「すごいね、自分の高一の頃はC組みたいな普通のクラスだったから。」
「まあC組とは…、先生、小テストの平均点の差、ご存知です?」
「ああ、F組は前回の数学小テストでダントツだったと、さっき聞いたよ、前もって聞いていればもう少し心の準備が出来たのに。」
「はは、その前の小テストは、他のクラスと大差なかったのですけどね。」
「えっ、そうなの? じゃあ短期間で大きく差がついた理由は?」
「やっぱ赤澤夫妻のおかげでしょ。」
「えっ、赤澤夫妻?」
「あら、私たち婚約はしてるけど、結婚はまだよ。」
「あ~ん、お母さまったら、それじゃ娘の立場が~。」
「ちさとは美咲の隠し子だったのか?」
「いつの間に?」
「おいおい、そんな話ししてたら小山先生がわかんないだろ。」
「ぼくもわかんない。」
「岡崎は黙ってなって。」
「小山先生、私たちの数学の先生は、実質、赤澤さんなんです。」
「大久保先生には内緒ですけどね。」
「いや、もう大久保先生も気付いてるだろ。」
「大久保先生、自信失ってないのかな~。」
「赤澤さんって?」
「彼です。」
「ども。」
「君がみんなに数学を教えたの?」
「そうですね…、直接教えることもあったけど…、ほんとの先生はクラスのみんなです。
 自分は、少々策略を練っただけで、後はみんなの実力ですよ。」
「お師匠さま、そこまでご謙遜なさらなくとも、みなの実力を引き出したのはお師匠さまのお力ですから。」
「はは、嶋は星屋の真似か?」
「ははは。」
「赤澤くん、もっと話しを聞かせてくれないかな?」
「良いですけど、とりあえずみんなは部活とかあるんで、ここで区切りをつけますね。」
「あ、すまん。」
「じゃあ美咲。」
「うん。
 みんな、明日も鶴翼の陣で行くわよ。」
「おう。」
「それから、一学期期末考査まで日があると思わないでね。
 こっちのチーム戦も、反対意見が出なかったから、配ったプリント通りで行くわよ。」
「うお~、ガチンコ勝負、燃えるぜ。」
「個人賞もあるんだよな。」
「チーム対抗だけど、大きな目標はF組が一年のクラスでダントツ一位になることだからね。
 みんなで結果を出して楽しい夏休みを向かえましょう。」
「美咲は省吾さんとの楽しい夏休みを思い描いていそうね。」
「当たり前でしょ、もうワクワクよ、でもその前に、そのために。」
「あたしゃ彼氏いないけど、しゃ~ないから付き合ったげるよ。」
「ははは。」

 確かに期末考査で結果を出しておけば、というより、結果を出さないとね~、予備校とか進学塾の夏期講習には行かないって、親に宣言したから。
 クラス順位は、みんなもがんばりそうだから難しそうだけど、学年順位で結果を示さないとね。
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