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清水ちさと-01 [F組三国志-03]

「ちさと、午前の授業どうだった?」
「まあまあってとこね、席が変わって新鮮だったから授業に集中できたかしら。
 そうそう、ちょっとした発見があったわ。」
「なに?」
「隣の星屋くんがさ。」
「あのオタクっぽくて頼りなさそうな人?」
「はは、美香もそう思ってたのね、それが結構頼れる人だったのよ。」
「そうなの?」
「うん、授業でちょっと分かんなかったとこ訊いたら、分かり易く教えてくれてね。
 テスト団体戦が始まってから、チームのメンバーに教えるようになり、自然と教えることを意識しながら学習するようになったんだって。」
「へ~、ということは頭良いんだ、彼。」
「と、思うわ。」
「人は見かけによらないものなのか~。」

 ほんとに見かけによらない、と言うよりきちんと接しないと彼の良さとか分かんないってことだろうな。
 ふふ、ちさとは味方だよ、星屋くん。

「ちさと、午後の数一って教育実習の先生なのよね。」
「あっ、そうだった、省吾さんの予習プリント…、じゃなかった、お父さまの予習プリントを…。」
「えっ? お父さま?」
「うん、省吾さんは私のお父さまってことになったの。」
「どういうこと?」
「私が演劇部に入ったのは色々な役を演じてみたかったからなのだけどね、今は道具を作ったり基礎練習ばかりで、役を演じるなんて全然だめ、って話したことがあってね。
 省吾さんは、それを覚えていてくれて、文化祭のネタになるかどうかは微妙だけど、ちょっと遊んでみないかって。」
「お遊び?」
「うん、最初はそう思ってた。
 でもね、今日気付いたのだけど、私のお父さまは色々企んでたの。
 和彦さんとかが絡んでくるのだけど…、あっ和彦さんって、星屋くんのことよ。
 そのことに和彦さんも気付いて、すごく嬉しそうだった。」
「う~ん、よく分かんないわ。」
「ふふ、しばらくすれば分かると思うから、ちょっと待ってて。
 で…、美香の役はね、十三歳のおてんば娘の友達…、はは、やっぱ近所の嫌なおばさんかな~。」
「なによ、それ!」
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