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星屋和彦-02 [F組三国志-03]

「奥方さま。」
「はっ、はい?」
「私くしめは麻里子さま配下の星屋でございます。」
「は、はい。」
「この度、一つの提案がございまして。」
「はあ、真面目な提案なら歓迎よ。」
「ありがたき幸せです。」
「どんな提案なの?」
「クラスの席のことでござります。」
「はい。」
「現在はチームのメンバーがばらばらに座っておりますが、この戦乱の世、いささか不自然ではないかと。」
「う~んと…、席替えってことね。」
「左様でござりまする。」
「席替えか…。」
「如何でござりましょう?」
「考えてみる価値はありそうね、省吾たちと相談してみるわ。」
「かたじけのう存じます。」
「ふふ、星屋くんも色々考えてくれてるんだ、有難うね。」
「えっ、そのようなお言葉、もったいのうございます。」
「あっ、省吾たち集まってだべってる。
 えっと、まだ時間は有るわね。
 星屋くん、一緒に行きましょ。」
「は、はい。」

「ね~、席替えしない?」
「美咲、いきなりだね。」
「なんかあったの?」
「星屋くんからの提案でね、テスト団体戦のチームが固まって座るようにしたらってことなのだけど、省吾、どうかな?」
「う~ん、考えてなかったな…、うん、面白いかも、チームの団結とか強まりそうだ。
 問題は企画に参加してない人たちかな。」
「参加してないのは、後三人だったよな、何とかなるというか俺から話しても良いよ。」
「哲平も乗ってくれるのね。」
「ああ、でも、どんな感じで席替えするんだ、くじじゃないのだろ?」
「なあ、みんな、席替えイコールくじってどう思う?」
「席替えのドキドキ感は楽しかったなぁ~。」
「うん麻里子の気持ちは分かる、でもさ、俺らのレベルだったら、数学苦手で英語が得意な子と英語苦手で数学が得意な子が隣り合わせとかさ。」
「あっ、そうか、逆に趣味が同じで仲が良すぎる子は、離れた方が良かったりするのかも。」
「人それぞれだから簡単にはいかないかも知れないけど…、待って、クラスの席ってさ、固定じゃなくても良いんじゃない?
 グループ内で相談してみんながより集中出来るように調整したりとかさ。」
「寝てたい奴はみんなのじゃまになんない様にとかかな。」
「はは、今のF組でなら実験的に色々試せる気がするね。」
「やってみるか?」
「賛成~。」
「じゃあ、私は授業後にでも、先生と相談してみる。」
「チームリーダーの俺はメンバーに提案ってことかな、美咲さん。」
「ええ、お願いね、正信くん。」
「えっと、今、どのチームにも入ってないのは…、森の他は誰?」
「梶田梨乃さんと、三浦武敏くんよ、哲平さん。」
「了解、静さん。」
「ははみんなやる気満々ってとこね、じゃあうちらも相談するか、星屋。」
「へい、姉御、がってんでい。」

 やっぱり、F組のリーダーたちはすごい。
 秋山さんの一言でみんなが意見を出し合って、すぐ方向性を…、F組でなら実験的に色々試せるなんて、さすがお師匠さまだ。
 自分は…。
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