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奥田麻里子-03 [F組三国志-02]

「麻里子のチームも十一人になったのね。」
「うん、黒川くんたちが声を掛けて調整してくれたお陰かな、昨日発表してもう締め切りだから少し心配してたけど、まだ遠足からの盛り上がりが残っているみたい。」
「十一人で揃ったから分かり易いわね、でも、メンバーのレベルはどうなの?」
「問題はそこなのよ、メンバーの実力が未知数でしょ、惨敗だったら嫌だわ。」
「麻里子の所には岡崎もいるしね。」
「どうしてここに合格したのか不思議でしょ、他には入学してからサボってた人がいてさ。」
「ふふ、私達のチーム哲平には勝てそうにないわね。」
「う~ん、負けたくないのだけど…。」

「ボス。」
「姉御。」
「な、なに?」
「ぼくたちのリーダーなんだからさ。」
「はあ?」
「やっぱり、奥田さんって呼んでもつまんないし。」
「岡崎はともかく星屋くんは…。
 そんなことより数学の方は大丈夫なの?」
「あっしはそれなりでやんすが、岡崎はたぶんだめでげす。」
「はいはい、じゃあ、星屋くんは岡崎の指導、お願いね。」
「姉御~、ちょっとそれじゃあ…、あっしの立場ってものが…。
 その~、もう少し手下にって感じで話して下さると…。」
「ふ~、じゃあ…、星屋~、岡崎のこと、ちいとしごいちゃってくれんかのぉ~。」
「へい、姉御、任せておくんなせえ。」
「そうそう、ここに省吾さまから頂いた参考資料がある、大切に使えよ。」
「へい、かたじけのうごぜえやす。」

 はぁ~、疲れる…、私ったら何やってんだろ…。
 星屋はゲームの意味勘違いしてそうだし。

「ねえ、奥田さん?」
「田中くん、何か?」
「テスト団体戦で、勝ったら俺とデートしてくんない?」
「それで、田中くんは、勝利に貢献出来そうなの?」
「俺はだめだけど、黒川とかいるからさ。」
「あのね~!
 もう~、田中、岡崎とか使って良いから、グループの子集めて!」
「うん。」
「はい、今すぐ動いて!」

 まったくも~。

「姉御、揃いやした。」
「うむ、ご苦労、じゃなかった…。
 みんなに話しておきたいことがあるの、テスト団体戦のことを勘違いしてる人もいるからよく聞いて。
 テスト団体戦を、いい加減なお遊びと考えている人もいるみたいだけど、私は勝ちにいきたいと思ってるし、それこそが団体戦の目的なの。
 私は哲平のような魅力はないわ、運動だって勝てっこない、でもねこのチームが団結したら、哲平にだって勝てると思ってる。
 まぁ、テスト団体戦というスポーツと考えて欲しいのよ。
 特に数学だめな人、手を挙げて…。
 五人か…、省吾さんからの参考資料は人数分コピーしておいたから、自分が何とかなりそうな人は資料を活用して苦手な人たちの面倒もみてあげて。
 学習する時は、まず、その内容のポイントをつかむ。
 そのポイントは教える時のポイントでもある。
 そして、教えることは自分が学習したことの再確認。
 これが省吾さんの教えなの。
 私に聞きにきてくれても良いわよ、省吾さんのおかげでそれなりに理解出来たから。
 で、いい加減な気持ちの人は、即、チームから出てって欲しい。
 最初は哲平たちのグループに人数でも負けたくないって思ったけど、もうそんなことどうでも良いから、勝ちに行く気のある人だけ残ってね。
 はい、解散!」

 ぱちぱちぱち…。

 えっ、拍手?

「かっこいい~。」
「俺はついていくぜ!」
「私も。」
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