SSブログ

奥田麻里子-01 [F組三国志-02]

「なあ省吾、そろそろ次の企画のこと話して良いんじゃないか。」
「そうだな、麻里子にも頼みたいことあるし。」
「えっ?」
「ちょっとしたお遊びだけどさ。」
「うん。」
「数学の小テストや定期テストで、団体戦を考えていてね。」
「テストの団体戦?」
「ああ、うちは進学校だからテストは避けて通れないだろ。
 で、どうせテストを受けるのならゲーム感覚にした方が楽しいと思わないか?
 テストは基本個人戦だけど、グループで協力したり競ったりしてさ。」
「う~ん、でもどうやって?」
「俺的には三つのグループって考えてるのだけど、無理なら二つのグループでね。
 簡単な方法なら全員の平均点で勝負。
 複雑なルールの案も有るけど一回目はシンプルな方が良いと思ってる。」
「なるほど、それで、勝ったら?」
「そのあたりはバツゲームとかみんなで考えたら楽しいと思う、夏休み前にみんなで集まって遊ぶ機会があっても良いだろ。」
「悪くはないわね、で、私は?」
「グループのリーダーをお願いできないかな。
 最初は哲平と美咲って考えていたのだけど、美咲と俺はゲームの運営的な立場になってみんなをサポートして行きたいと思ってさ。
 グループに関係なく学習の手助けをするって立場かな。
 哲平と麻里子は数学の力とか近いから、良きライバルになれると思うんだ。」
「具体的には何をすれば良いの?」
「一回目は、とにかくみんながんばろっ! ってだけで良いよ。
 二回目以降は一回目の経験を踏まえてより楽しく、より効果的にして行きたいけどね。」
「それぐらいならやっても良いわよ、でもリーダーとして哲平のライバルってのはちょっと荷が重いわね。」
「多少の根回しはするから…、あまりにもアンバランスになりそうだったら、美咲もグループにって選択肢を用意している、でも麻里子はもっと自信を持って良いよ、将来の編集長さん。」
「ありがとう、がんばってみるわ。」
「問題は…。」
「美咲、なに?」
「遠足に続いてまたしてもグループ分けの問題があるのよね。
 省吾の言う、三つの方が面白いと思うし。」
「う~んと…、それなら鈴木正信、彼をリーダーにってどうかしら?」
「麻里子、彼のこと詳しいの?」
「うん、席、近いから話すことがあってね、真面目で成績も良さそう、今は目だってないけど中学生の頃は生徒会長をやっていたそうよ。」
「へ~、それは知らなかった、明日にでも声を掛けてみるよ、な、哲平?」
「おう。」
「それからね、今日、学習の時間に、覚えるときのポイントはねって、話したろ。
 それは教える時のポイントでもある。
 そして、教えることは自分の学習したことの再確認にもなるんだ。」
「省吾、なんか色々企んでいそうね。」
「いや、企みなんて、美咲と俺をボートに乗せようなんてことに比べたら可愛いものだよ。」
「ははは、根に持ってる。」
「まあ、俺たちの結婚式にはみんな呼んでやるからな。」
「そこまで開き直ったか。」
「可愛い企みとしてはね、F組がいじめのない楽しくまとまりのあるクラスになって、且つ学力面でも他のクラスを寄せ付けず、スポーツ大会で優勝してだな…。」
「欲張りすぎ~、ぜんぜん可愛くないわ。」
「ははは、でも俺は省吾の考えに乗ったんだ。」
「美咲には聞くまでもないわね。
 でも、三つに分けて、まとまりのあるクラスになるのかしら。」
「グループ同士が協力しあっても良いし、そんな雰囲気を作って行けると思う。
 だって、哲平と麻里子はもう友達だろ、知らない内に団結してたし。」
「ふふ、確かに。」
「鈴木と調整出来たら、すぐにでもみんなに話してグループを作って貰おうかな。
 もちろん自由参加だけど十人程度で三グループって規模にはしたいね。」
「遠足の余韻が有るから、流れは良いと思うわ。」
「そうだな、平岩は、どう?」
「うん、参加したい、奥田さんのグループに入れてくれるかな。」
「おっ、麻里子、一人ゲットじゃん。」
「私は哲平さんのグループが良いです。」
「哲平は、静さんゲットね。」

 なんか楽しくなりそうだけど、平岩が私のグループか…、う~ん微妙だなぁ~。
 岡崎とかをいじめてたのよね。
 岡崎…、彼も私のグループに来そうじゃない?
 あ~、やばいかも…。
nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。