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平岩周-05 [F組三国志-02]

 う~ん、あまりうまい文とは思えないけど何とか書けた。
 え~っと奥田に見て貰えば良いんだよな…。

「奥田さん、一応書けたけど、どうかな?」
「う~ん、どれどれ…。」
「まあこれだけ書けてれば良いわよ。
 後は、私の方で手を加えるから、それを確認してね。」
「うん、じゃあ後は、俺に手伝えることとか有るのかな?」
「そうね…、作業のメインは私が文章の整理編集、静さんが絵とDTP作業って感じで、もう大分進んでいるから…。」
「大変そうだな。」
「はは、私は将来編集の仕事とかやりたいと思ってるし、静さんもDTP作業とか好きって言ってたからね。」
「ふ~ん、それにしてもみんな手際良さそう、一緒に作業することに慣れているんだね。」
「みんなで作業するのは今日が初めてよ。」
「えっ?」
「みんなの頭の中には完成したものが大体出来てるの。
 それに向けて、各自それぞれの分担をきちんとこなしてるってとこね。」
「へ~。」
「今日の作業予定分はもうすぐ終わると思うわ。
 後は、残りの文を私が整理して、静さんに渡せば数日で形になる。
 それをみんなで見直して完成。」
「なんかなあ~。」
「どうしたの?」
「俺なんか、高校へ入ってから惰性でさ、特にやりたいこともなくて。」
「ふふ、今からでもぜんぜん遅くないと思うわよ。」
「うん。」
「省吾たちも終わったみたいね。」

「麻里子、そっちはどう? 区切りついた?」
「ええ、哲平たちは?」
「今日の予定分は済んだってさ。」
「じゃあ片付けるわね。」
「ああ、簡単で良いよ、どこへ戻せば良いか分からないのも多いだろ。」
「ごめんね、皆で押しかけて。」
「気にしなくて良いよ、美咲はお茶の用意に行ってるから。」
「了解、手伝いに行くわ。」
「なんか、息が合ってるね。」
「はは、出来たばかりのチームだけど、一緒にいて楽しいもの。」

 なんか自分がすごく子どもに思えてきた。
 同い年なのに全然違う。
 彼女達は充実した時間を過ごしているのだろう。
 高校に合格する為、結構頑張って来たのに、今の俺って…。

「みんなお疲れ様。」
「結構順調に進んでるわね。」
「うん、麻里子と静さんのおかげだ、有難うね。」
「どういたしまして。
 でも、私はともかく静さんのテクニックはすごいわよね。」
「ああ、俺も理屈では分かってるつもりだけど全体のバランスとかね。
 絵と文のバランスが良いよな、さすがだね静さん。」
「あらっ、全体の配置は哲平さんにおまかせしてますけど。」
「えっ、哲平ってそういう感性を持ってたの。」
「はは、ラグビーボールを追っかけるだげの男じゃないぜ。」
「人は見かけによらないなぁ~。」
「ははは。」
「なあ省吾、そろそろ次の企画のこと話して良いんじゃないか。」
「そうだな、麻里子にも頼みたいことあるし。」
「えっ?」

 遠足で忙しかったろうに、もう次の企画か。
 すごいな…。
 俺も少しは…、真面目にやってみようかな…。
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