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平岩周-02 [F組三国志-02]

 えっと地下鉄覚王山駅の、一番出入口を上がった所だから…。
 あっ、笑い声が聞こえる。
 みんな来てるのかな…。

「平岩くん、おはよう。」
「ああ、おはよ。」
「おはよう、これでみんな揃ったな。」
「じゃあ、行く?」
「うん、あっ、静さん、荷物多いのね。」
「お、俺が持つよ。」
「大丈夫です。」
「へ~、平岩くんって紳士なんだ。」
「い、いや、そんなんじゃないけど、今日は仲間に入れて貰ったって感じだからさ。」
「それなら、静、持たせてやれよ。」
「はい、哲平さん。」
「省吾の家までは遠いの?」
「日泰寺の裏を下りたとこ、少し有るけど、みんなで歩くのも悪くないだろ。」
「風が気持ち良いものね。」
「そうそう、遠足の写真持って来たわよ。」
「麻里子、見せて見せて。」
「おいおい、歩きながら見ててこけるなよ。」
「大丈夫よね~、そんな時は省吾さんが支えてくれるもの。
 ほら美咲、これなんかどう?」
「あ~、ボートの時の! やっだ~!」
「お似合いよね~。」
「しかし、まいったよな、哲平たちがあんな企みをしていたとは。」
「麻里子は信じてたのに…。」
「楽しい青春の一ページということで、クラスが盛り上がったでしょ。」
「ははは。」
「も、もし省吾と別れることになったら一生恨んでやるからね。」
「お~こわ。」
「たかが都市伝説じゃない。」
「されど都市伝説よ。」
「でもさ、由香って美咲とは付き合い長いじゃない。
 その彼女が二人は簡単には別れないって断言してたわよ。」
「その根拠は?」
「二人の性格とか、占いもほどほどに良いんだって。」
「なんだ、すごく相性ピッタシとかじゃないのか。」
「良過ぎるのって結構だめらしいわよ。」
「ふ~ん。」
「ねえ、静さんはどうなの?」
「どうって?」
「好きな人とかさ。」
「えっと…。」
「そうか、うふふ、いるんだ、って意外と分かり易い人なのね。」
「麻里子、静ちゃんをいじめちゃだめよ。」

 はは、奥田麻里子ってほんとに元気で、かわいい…。
 森たちとつるんでるより、うんと楽しい。
 おっ、あっという間に到着か…。

「え~、遠路はるばるお越しくださいまして、まことに有難うございます。」
「へ~、立派な家ね。」
「ただいま~、皆を連れてきたよ~。」
「はいはい、みなさんようこそ、今日はゆっくりしていって下さいね。」
「おじゃましま~す。」

 綺麗で広い部屋、うちとは大違いだ。
 親父さんも一緒なのか…。

「まずは勉強会の流れを説明しておくね。
 最初に今後の数学小テストの流れとポイント。
 中学で学習したことにプラスされて、高校の数学がある訳だけど、中学で学習した筈のところが、先生の説明では中学と微妙に表現が違っていたりして、全く違うことのように感じてる人が少なくないみたいなんだ。
 だから、まずは、そのあたりを説明させて貰うね。
 その後は個別学習、で特に質問とかあったら答えていくけど、今日は親父も同じ部屋で仕事してるから、俺が手一杯だったら親父に聞いてくれても構わないよ。
 親父からは何かある?」
「そうだな、今日は息子の先生ぶりを見せて貰う、ってとこなんだけど、私でも高校一年生の数学なら大丈夫、だから気軽にね。」
「じゃあまずは…。」

 へ~、うちの親父とはずいぶん違うな、やっぱ大学教授ってことか。
 折角だから真面目にやるかな。
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