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平岩周-01 [F組三国志-02]

 まったくひどい話だ。
 森の『平岩で決定な。』の一言で、遠足について面倒なことを押し付けられた。
 四月頃は森たちとつるみ新鮮で楽しかった、岡崎とかをパシリにして。
 それが最近じゃ、岡崎の近くには赤澤や女子がいるし、他の連中も遠足後、急に仲良くなっちまって、結局俺が森のパシリみたいなことに…。
 あ、赤澤。

「どう、遠足のレポート書けた?」
「いや、まだっていうか書かなきゃいけないのか?」
「別にインタビュー形式でも良いけど、時間とれる?」
「それなら…。」
「何時が良い?」
「そうだな…。」

 そう言えば森が今度の日曜日、ナナちゃん人形の下で集合とか、冗談っぽく言ってたけど、なんか、もう本格的にパシリさせられそうな雰囲気だった。
 逃げる口実に…。

「次の日曜日なら良いけど。」
「日曜日か…、そう言えば平岩って家どこ?」
「名東区、本郷の近く。」
「じゃあ学校までは地下鉄だろ、定期だよね?」
「ああ。」
「俺んち覚王山だけど、来る?」
「行っても良いけど。」
「午前中に数学の勉強会やってから、遠足のまとめをする予定なんだ。
 終わってからちょっとおしゃべりってとこかな。
 メシの心配はしなくて良いからさ。」
「はは、赤澤の手料理か?」
「まあね、みんなにも手伝って貰うけど。
 別にずっとじゃなくて良い…、そうだなインタビューだけだから食事前からで良いよ。」
「数学の勉強会って?」
「哲平たちからリクエストがあってね。」
「俺も参加して良いのか?」
「もちろんだ。」
「森たちと遊んでばかりだったから、かなりやばくてさ。」
「なるほど、じゃあ中三の…、ちょっと待ってて。」

 はっきり言って数学、やばいんだよな…。
 でも、勉強会ね~、やっぱり真面目な奴らは違うな。
 俺、ほんとに行っても良いのか?

「おまたせ、中三の時のさ、このあたりを中心に復習しておいて欲しいのだけど。」
「中三の教科書、持って来てるのか。」
「ああ、最近数学の質問をよく受けるからね、説明するのに便利なんだ。
 ここに受かるくらいだから、みんな中三の数学はそれなりに出来てるからね。
 平岩はどう?」
「まぁ、俺も受験勉強はそれなりにやったから。」
「なら大丈夫、復習はどちらでも良いけど、やっておいてくれると説明が早く済むんだ。」
「わかった、で、他に誰が来るの?」
「哲平に美咲、静さん、山影静だよ、それと奥田麻里子ってとこかな。」
「へ~、俺なんかが行っても本当に良いのか?」
「ああ、できたら遠足のまとめとか手伝ってくれると嬉しいけどね。」
「う~ん。」
「パソコンとかは?」
「まあ普通に使えるけど。」
「じゃあ、よろしく頼むよ。」
「い、いや、こちらこそ。」

 なんか変なことになった。
 でも…、山影って結構美人だよな、奥田は明るくて可愛い、まあ秋山は別格として、俺入れて男女三人ずつか…。
 怖いような、楽しみなような…。
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