山影静-02 [F組三国志-02]
東山公園までの時間、色々聞かれた。
今まで皆と話さない様にして来たから仕方ないのかも知れないが、それに答えている自分が滑稽だ。
赤澤さんは、そんな私を、にこにこしながら見てるだけ。
「スケッチブックを持って来たということは、絵が趣味なの?」
スケッチブックを広げて見せる。
最近描いた中では自分でもお気に入りの一枚。
「おっ、うまいじゃん!」
「ほんと、素敵ね。」
いつもの様に褒められる。
中学の頃から当たり前になっていた。
でも、それが嬉しいから必要のないものまで持って来てしまうのだろうか。
「ねえねえ、画家志望なの?」
「そうですね…。」
色々訊かれ、それに答える自分。
少し面倒。
赤澤さんが見ていなかったら、黙っていたかもしれない。
赤澤さんには、いきなりグループに誘われた。
しかも強引にだ。
驚いたというか戸惑った。
でも、さすがに遠足で単独行動という訳には行かず、断る理由もなく…。
赤澤さんから遠足で絵を描いて欲しいと頼まれたのには本当に驚いた。
私が絵を描くことを母は好ましく思っていない。
当然、美術科進学は無理で、あきらめてから、高校では絵を描くまいと思った。
だから美術部にも入っていない。
私が人並み以上の絵を描くという事をこの学校で知っている人はいない筈だった。
「どうして私に絵を?」
「だって上手じゃん。」
「えっ、見せたことない筈だけど。」
「ほら、ノートの表紙に描いてたでしょ。」
「今度の遠足はね、クラスのみんなが親しくなれるきっかけにしたいと思っているんだ。
で、山影さんは、話さなくて良いから絵を描いてくれたらと思ってさ。」
「授業中の暇な時に描いていましたが落書き程度の絵で…。」
「落書きで良いよ、描くのは好きでしょ。」
「はい…。」
少し強引な赤澤さんに戸惑いはあったが、退屈そうな遠足が少しはましになるかもと思い準備していたら、荷物が増えてしまった。
考えてみたら、動物を描くのは久しぶりのことで…、遠足を楽しみにしている自分がいた。
今まで皆と話さない様にして来たから仕方ないのかも知れないが、それに答えている自分が滑稽だ。
赤澤さんは、そんな私を、にこにこしながら見てるだけ。
「スケッチブックを持って来たということは、絵が趣味なの?」
スケッチブックを広げて見せる。
最近描いた中では自分でもお気に入りの一枚。
「おっ、うまいじゃん!」
「ほんと、素敵ね。」
いつもの様に褒められる。
中学の頃から当たり前になっていた。
でも、それが嬉しいから必要のないものまで持って来てしまうのだろうか。
「ねえねえ、画家志望なの?」
「そうですね…。」
色々訊かれ、それに答える自分。
少し面倒。
赤澤さんが見ていなかったら、黙っていたかもしれない。
赤澤さんには、いきなりグループに誘われた。
しかも強引にだ。
驚いたというか戸惑った。
でも、さすがに遠足で単独行動という訳には行かず、断る理由もなく…。
赤澤さんから遠足で絵を描いて欲しいと頼まれたのには本当に驚いた。
私が絵を描くことを母は好ましく思っていない。
当然、美術科進学は無理で、あきらめてから、高校では絵を描くまいと思った。
だから美術部にも入っていない。
私が人並み以上の絵を描くという事をこの学校で知っている人はいない筈だった。
「どうして私に絵を?」
「だって上手じゃん。」
「えっ、見せたことない筈だけど。」
「ほら、ノートの表紙に描いてたでしょ。」
「今度の遠足はね、クラスのみんなが親しくなれるきっかけにしたいと思っているんだ。
で、山影さんは、話さなくて良いから絵を描いてくれたらと思ってさ。」
「授業中の暇な時に描いていましたが落書き程度の絵で…。」
「落書きで良いよ、描くのは好きでしょ。」
「はい…。」
少し強引な赤澤さんに戸惑いはあったが、退屈そうな遠足が少しはましになるかもと思い準備していたら、荷物が増えてしまった。
考えてみたら、動物を描くのは久しぶりのことで…、遠足を楽しみにしている自分がいた。
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