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大銀河帝国-12 [シトワイヤン-33]

舞姫さまの祝福を感じた人々は戸惑いもしたが確実に良い方向へ変化しつつある。
個人差は有るものの人としての内面が恰好良くなっているのだが、それと共に大銀河帝国ではユートピア計画が進められている。
清香村から苗川市全域へ広がって行った、桃源郷、ユートピアで暮らしているという思い、それは環境では無く意識の問題で有り、贅沢三昧出来るのがユートピアでは無く、人と人が尊重し合う中で形作られて行くのが理想郷。
市民としての意識改革に取り組むことが、地上をユートピアにする一番の近道なのだと、大銀河帝国や地球市民党、舞姫フレンズをリードする人達は考え、その思いを世界中に広めつつある。
富める者はその財力を人の為に活かす事を考え、貧しき者は助けを得ながら自身の出来る事を考えている。
舞姫さまと共に歩まんとする市民はすでに膨大な人数になった。

「和馬さん、万里も大銀河帝国も何の強制もしないのに…、いえ強制しないから順調に拡大して来たのでしょうか?」
「ああ、そう思うね、姫さまを始め大銀河帝国に関わっている者達は、思想的なことを人に押し付けない姿勢を守っている。
宗教だって、信仰の自由を大前提にして来た。
もっとも、神の如き姫さまの存在を前に、適当なことを言って金儲けして来た宗教家は職を失いつつ有るようだがな。
中南米やアフリカでも同様に広がって行くだろう。」
「でも、あまりに環境の悪い所へは万里を行かせたくないです。」
「まずは、キャッシーが建造を進めさせていた最新型の飛行船で空からの視察になるのだから大丈夫じゃないかな。
気象状況を見ながらの運行になるが、空から祝福を与えて頂くことが中心になる。
招待してくれた国としても、地球上に一人しかいない神の如き存在を丁重に扱ってくれるだろう。
映像では、美しき姫さまの姿を沢山見て来ただろうし、巡礼者として祝福を感じた人も少なからずいる筈だ。」
「和馬さんは、このまま地球が一つになって行くと思いますか?」
「勿論さ、私達には姫さまがいるからね。
姫さま抜きでは絶対に不可能だったことを、大銀河帝国は幾つも成功させてきた。
これから先、更にユートピア計画は進んで行くだろう。」
「ただ、人口の増加はどうでしょう、中東の住環境は改善されていますが、平和になって地球のキャパシティを越えてしまわないでしょうか。」
「姫さまの祝福を感じた人でも、そこからの行動にはバリエーションが有るだろ。
特に犯罪者の中には、フロンティアスピリッツに目覚める人が多いと聞いている。
砂漠化を食い止めようという動きも。
もし、このまま人口が増え続けるのであれば、人類は宇宙を目指すのではないかな。
海水温が上昇し地球の環境だってこのままとは行かないだろ。
姫さまが大銀河帝国というという国名を推されたのは、将来を見据えての事だと思うんだ。」
「人間の可能性を…、以前の世界では考えられなかった人類を宇宙に進出させるということですか…。」
「何百年後になるか分からないが、宇宙に広がる文字通りの大銀河帝国、その一歩を踏み出す時が来たのではないかな。」
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