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広報-08 [シトワイヤン-05]

四月から番組が大きく変わるという情報が流れ、俺達への取材の申し込みが多かったことも有り、市民政党と番組の宣伝を兼ね、新聞社や雑誌社向けに俺達の記者会見を開くことにした。
勿論、それを編集したVTRは番組でも流して貰う。
俺達はリアル学生部のメンバーにも参加して貰って記者会見への準備を。

「和馬くん、市民政党の設立から番組レギュラーになるまでの経緯説明は、それで良かった?」
「はい問題ないですが、この後直ぐに質疑応答ですか?」
「党のことは党のサイトを見て頂いた方が良いでしょ。
我らが代表は、真面目な質問は何が来ても問題ないですよね。」
「(仮)ですけどね、まあ込み入った事を長々と追及して来る輩がいたら、番組内でお答えしますと返しますよ。」
「問題は貴方たちの三角関係ね、すでに番組内の雰囲気からSNSでも話題になってるから、絶対追及されると思う、誤魔化すの?」
「いえ、正直に話す方向で梅子姉さんにも了解して貰っています、下手に隠すと週刊誌とかが煩くなりそうですし、番組への注目度を上げる事を考えたら一番のタイミングだと思います。」
「愛華たちはそれで良いの?」
「私達の個性ですからね、裏では清香と私が殴り合いの喧嘩をしてるとかデマが流れるぐらいに注目されれば、番組にとってはプラスでしょうし、市民政党にとっても悪くないと思います。
私と清香の仲が本当はどうなのか、画面を通して探る人たちで視聴率が上がりそうな気がしませんか。」
「身を削る決心をしたのね。」
「削ると言うより、私達から和馬を奪おうと考える人が現れない様にしておきたいですし、お付き合い禁止のアイドルみたいな扱いはされたく有りません。
番組ではアイドル枠みたいな感じですが、十把一絡げのアイドルになる気は有りません。」
「そうね、進行役としては突っ込んだ質問への対処が心配なんだけど。」
「有る程度話して、後はご想像にお任せしますで何とかならないかしら。」
「和馬くん、大丈夫?」
「何とかしますよ。」
「おおっ、頼もしい、惚れてしまいそうだわ。」
「先輩、惚れても無駄ですよ。」
「はいはい、でも愛人ぐらいなら…。」
「絶対だめです!!」

そして迎えた記者会見の当日。
市民政党若葉発起人四名の簡単な挨拶に始まり、市民政党の設立からの経緯説明を愛華が済ませ、質疑応答。
始めのうちは真面目な質問だったが。

「瀬田和馬代表は美女に囲まれていますが、特定の彼女はいるのですか?」

この質問を切っ掛けに、二人との出会いと、その時の想いを語って差し上げた。
続けて愛華と清香が恋を語る、記者たちが引くほどに。
俺達三人はインパクトの有る記者会見を考えていた、実際こういう話が好きな記者は多く盛り上がった。
すぐに二股だとか色々書かれるのだろうが、俺達の歴史を知る人が増えることは悪くないと考えている。
それによって親近感を覚えるか嫉妬心を抱くのかに関係なく知名度が上がるからだ。
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