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広報-07 [シトワイヤン-05]

テレビ出演に関して、愛華たちの興味は衣装にも有る。
愛華は毎回気合を入れた衣装で出演したいのだが、あまりに華美だと市民政党のイメージを悪くしかねない。

「愛華は毎回違う衣装を私服で通すつもりなんだろ、それだと私服が溜り過ぎるとか考えないのか?」
「康太、特別な服以外は売れば良いのよ、適度に売って来なかったら私の部屋は大変な事になっているわ。」
「安く売って処分すれば部屋が片付くということなのか?」
「ええ。」
「安く売らずにオークションというのは如何でしょうか、愛華の着た衣装なら、これからはプレミアムが着くと思います。」
「そうだな、差額がプラスになったら党の資金に出来る、いっそ番組のコーナーに出来ないか、和馬、梅子姉さんと相談してみてくれよ。」
「う~ん、利益より話題性だな、清香、うちの学生スタッフも動かせるのか?」
「はい、衣装チームは動き始めていますので、オークションチームを作って頂きましょう。」
「番組サイドとしても、こちらで有る程度完結できる企画なら喜んで貰えるかもしれないな。」
「オークションの売り上げは大きくならないかも知れませんが、政党のグッズも試作が出来始めています、番組で和馬が着れば宣伝効果が大きいです。」
「良いのが出来たの?」
「デザイン重視で、市民政党若葉のグッズかどうかは知ってる人しか分からないレベルになりました。
少なくともサンプルを見た関係者は購入を考えています。」
「製造はスポンサー企業が担当してくれるのだよな。」
「ああ、スポンサーは俺達のテレビ出演以降増えていたが、和馬がレギュラーになると知らせてから、協力体制を強化するとも言って来てる、システム構築スタッフに充分なお礼をし、四月から株式会社和馬で正規社員として働いて貰う人達の給料も大丈夫だろう、後はグッズを売って彼らのボーナスを他社と比べて遜色のない額にしたいね。」
「さすが社長ね、それで康太、学生スタッフの扱いはどうなってるの?」
「市民政党の党員となって下さった先輩中心に、党のグッズ制作から始まったのだけど、ボランティアと言うか、サークル活動になりつつ有る。
これからメインスタッフの先輩方と協議して行くよ。」
「康太ファンも少なくないから、強気で行きなさいよ。
お~、君達、僕の為に働いてくれるんだね~、と康太が言えば人件費を浮かせる、元々市民政党に興味を持って集まってくれた人達だから、仕事として拘束する人以外はボランティアで良いと思うのよ。」
「そんな恥ずかしいセリフは言えないが、いずれリアルで市長ぐらい立候補させられるぐらいの体制作りはイメージして貰うよ。」

株式会社和馬は大学近くのビルにオフィスを構え学生スタッフが出入りしていたが、四月からはフルタイムの正社員を置く、今までも手伝って貰っていて仕事の出来る人達なのだが、ボランティアスタッフが頑張り過ぎると双方の人間関係が悪くなるかも知れないと和馬は危惧していた。
実際は先輩方も大人で、株式会社和馬を中心に置いたサークル組織を構築中、学内サークルという案も出たが、大学側が苦慮するかも知れない事と、他大学からも参加し易いようにと考え、四月からは正式名称を、バーチャル市民政党若葉リアル学生部として活動する事になっている。
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