SSブログ

広報-09 [シトワイヤン-05]

記者会見を終えた三月最終週、リアル学生部のメンバーは、政党のグッズ制作と俺達の番組出演サポートに向けて忙しくしている。
清香が提案したオークションは、今日の衣装はオークションで売ります、というコーナーとして決定し、着こなしのポイントや、購入価格を紹介しながらスタートすることとなった。
学生が中心となって運営して行くが、愛華ママが裏で手を回したことも有り、準備はスムーズに進んでいる。

「和馬、リアル学生部からの番組企画が通りそうです。」
「そっちまで気が回ってなかった、行けそうなのか?」
「大学の紹介とか頑張ってる学生の紹介なのですが、先輩方は視聴者の性別や年齢層、同じ時間帯に放送されている他番組などを分析した結果に基づいて提案しています、中高生の子を持つ親を意識したり。」
「視聴者の興味を引けるのかな?」
「愛華をリーダーに、目立ちたい学生からオーデションで選んでユニットを作ります。
番組のリポーター役から始めて、人気を掘り起こせたら次の展開をと考えています。
それなりの容姿とトーク力が有って番組に頻繁に出ていたら、それなりにファンは付くそうです。」
「それはリアル学生部限定?」
「はい、あくまでも党員拡大に向けて、広報活動の一環ですので。」
「なあ清香、それならリアル学生部で原発問題を掘り下げ、視聴者の方に分かり易く説明することは可能だろうか?」
「党でまとめれられている内容を、番組向けにということですか?」
「ああ、原発反対と訴えてる人にも、日本のエネルギー問題を考えて欲しいだろ。
原発を無くせたとして、安定した火力発電が維持出来るかどうかは国際情勢も関係する、原発誘致で過疎化に歯止めを掛けたいと思った人の話にも触れなくてはいけない。
原発を題材に、視聴者の皆さんと共に学ぶコーナーを作るのも有りだと思うんだ、勿論その危険性と負の遺産を子孫に遺す事は強調したいけどね。」
「はい、学生部に打診しておきます、複数の視点から物事を判断する、それこそが市民政党若葉の姿勢です、そのモデルとするには良いテーマだと思います。」
「梅子姉さんとも相談してみるよ、学生が動かなかったら番組スタッフに動いて貰うからね。」
「和馬は、市民に対する教育を考えてるのですね。」
「必要だろ、原発が事故を起こしたら怖い、だから反対するのは自然なことだろうが、それなりに現在のエネルギー事情を考えないと、せめて電力の安定供給がなかったら冷凍食品が成り立たなくなる、というぐらいの認識はね。」
nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。