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構築-06 [シトワイヤン-04]

清香が話す大学生達の動きに、周りの大人が興味を示し数人の輪が。
しばらくして話は、国会の内容を市民政党で解説という安藤さんの話に戻った。
面倒なことだが、会議をしている訳でもなく、ある意味自然な流れ。
勿論、単に戻ったのではない。

「国会中継の解説は確かに面白いが、単に時事問題を解説するのなら著作権問題もないだろ。」
ごもっとも。
「問題は短時間で党の考えをまとめ上げ、公開出来るかどうかだな。
政治に係わることを、首相や官房長官が意志表明するぐらいのタイミングまでに公開出来たら面白いだろ。」
「情報量は圧倒的に不利だぞ。」
「そういう事情も明らかにした上で、今、知り得ている情報からの判断として、公開、情報が増えたらそれを精査して、なぜ考えが変わったのかも含めて公開して行く、それなら信用を失うことはないだろう。」
「問題は、それに対応しきれるだけのスタッフを確保出来るかだな。」
「和馬、有る程度党員が増えた段階で構わないから、緊急案件にも対応出来るだけの人材確保を考えてくれよ。」
「問題は人件費ですね。」
「そこはシステムでカバー出来ないか、ホットなニュースに対して自分の考えを表明したい人は少なくないだろ、そして、ベータ版では人の話に聞く耳を持たない様な人物は出て来ていない、一般党員に意見をまとめて貰い、党の案として投票して貰う、その結果を公開して行く事で一般的な人の考えを表明出来ると思うんだ、テスト期間とは言え、これまでの大きく対立する意見は少なかっただろ。
偏ったマスコミより、バランスのとれた考えを表明出来そうな気がするんだ。
短期間で、ということで運営サイドの作業量は増えるだろうが、システムが正常に機能していればすごく大変なことでもないだろ。」
「そうですね、今の内にテストしてみましょう、世の中の出来事に対して党としての見解を、投票結果と共に公開ですね、テーマの発表から投票までの期間は色々試す必要が有りそうです。」
「利害関係が多岐に渡る案件では、色々な項目で投票して貰い、それをまとめて一つの意見にするという手法はどうだ?」
「まとめにくそうですが、それも試しましょう、未完成の市民政党ですが、それでも党としての考えを明確にすることは大切だと思います。」
「まあ、いまの政党だって、理想を追い求めて完成された形とだとは思えないがね。
市民政党としての試練は、党員の意見を二分する様な究極の政治判断を求められる局面、とどう向かい合うかだな。」
「やはり、強いリーダーが欲しいですね、誰もが待ち望んでいる様な英雄が党首になってくれないでしょうか。」
「いや、待っているだけじゃだめだな、指導者を育てるという発想はどうだ?」
「さすがに簡単なことじゃないだろ。」
「党内に教育機関というか研究機関が有っても良いと思う、リアル政党でないのだから大学の研究機関との連携も問題ない、どんなリーダーが理想なのか党員に意見を求めても良い。
なあ、和馬、党員に呼びかけても構わないか?」
「勿論構いません、論理的な呼びかけを否定する人は少ないと思います、先を見据えた考えですし。」
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